Googleが、AIノートツール「Gemini Notebook」の利用上限の仕組みを入れ替えました。1日あたり何回まで、という固定の回数制限をやめ、実際に消費した計算量で測る方式へ移行します。上限は5時間ごとに回復し、枠を使い切っても重い生成は後回しに予約できます。9月2日から、ウェブ版とモバイル版の一般ユーザー向けに順次適用されています。
回数制限から「予算」への切り替え
これまでのGemini Notebookは、契約しているGoogle AIのプランに応じて、機能ごとの生成回数が1日単位で決まっていました。新しい方式では、この考え方が予算の消費に近いものへ変わります。
上限の減り方に影響するのは、プロンプトの複雑さ、使ったモデルと機能、チャットの長さ、そしてノートブックに登録したソースの数です。つまり、短い質問を何十回も投げるのと、大量のソースを読ませて動画やスライドを作らせるのとでは、同じ1回でも消費が違うことになります。作業の中身に応じて重み付けされるため、軽い使い方をしている人ほど回数を気にせず済む設計です。
回復の間隔も変わりました。これまでの1日1回のリセットではなく、5時間ごとに枠が戻ります。上限に当たった時点でその日の作業が終わってしまう、という状況を避けるための変更です。ただし枠が無限に湧くわけではなく、5時間ごとの回復は週単位の上限に達するまでという条件が付きます。
残量が見える場所と、上限に当たったときの逃げ道
残りの枠は、画面右上の設定メニューから「使用状況」を開くと確認できます。それ以外にも、作業中の画面に自然に表示されます。
チャットの下部には、残量と回復時刻を知らせるメッセージが出ます。Googleが例として挙げているのは「AI利用上限にもうすぐ達します。上限は15時にリセットされます」「上限に達しました。すべての機能は15時以降に利用できます」といった文言です。スタジオ側で成果物を生成するときは、その操作にどれくらいの計算量がかかりそうかがバーで示されます。バーの塗りが多いほどコストが高い、という見方になります。
上限を超えそうな操作を選んだ場合、Gemini Notebookは別の出力形式を提案します。動画による概要(Video Overviews)やスライドの生成のように重い処理については、その場で作らずに後で作る選択も用意されました。ウェブ版限定の機能として「後で生成」が追加されており、枠が回復したタイミングで自動的に処理が走ります。完了まで数時間かかる場合もありますが、通知を有効にしておけば出来上がった時点で知らせが届きます。上限に当たった瞬間に作業が止まるのではなく、キューに積んで先に進める形です。
プラン別の枠の広さ
無料で使う場合は標準の上限が適用されます。有料プランでは、これを基準にした倍率で枠が広がります。
Google AI Plusは標準の2倍、AI Proは標準の4倍です。最上位のAI Ultraはさらに大きく、契約内容によってAI Proの5倍または20倍という設定になっています。上限に達したときの画面からそのままアップグレードに進める導線も用意されており、待つか課金するかをその場で選べます。
なお、これらの上限は固定されたものではなく、テストや提供状況によって変わる可能性があるとGoogleは断っています。快適な利用環境を保つために、一定期間内のプロンプト数や機能の使用量に制限をかける場合がある、という説明です。
生成AIの課金設計が横並びで動いている
この変更は、Gemini Notebook単体の都合というより、生成AIサービス全体の流れに沿ったものです。回数で数える方式は分かりやすい一方で、実際のサーバー負荷とは噛み合いません。テキストの短い応答と、長時間の動画生成を同じ1回として数えるのは、提供する側にとっても使う側にとっても実態から離れています。
Gemini Notebookは、もともとNotebookLMという名前で提供されていたツールがGeminiブランドへ統合されたものです。ソースを読み込ませて要約や音声解説、動画、スライドを作らせる使い方が広がるにつれ、1回あたりの重さの差も開いてきました。計算量ベースへの移行は、その差を素直に価格と枠に反映させる方向の調整といえます。
まとめ
Gemini Notebookの利用上限は、9月2日から計算量ベースの方式に切り替わりました。プロンプトの複雑さやソース数に応じて消費量が変わり、枠は5時間ごとに回復します。上限に当たっても「後で生成」で重い処理を予約でき、残量はチャット下部と設定画面から確認できます。有料プランは標準の2倍から、AI Ultraでは最大でAI Proの20倍まで枠が広がる構成です。回数の管理から解放される代わりに、自分の使い方がどれくらい重いのかを意識する場面は増えそうです。
