Google は 2026 年 4 月 24 日、Gemini アプリの月次アップデート「Gemini Drop」の 4 月版を公開しました。4 月 15 日に正式提供を開始した macOS ネイティブ アプリを目玉に据え、Personal Intelligence の地域拡大、Lyria 3 Pro による最長 3 分の楽曲生成、ドキュメントや表計算ファイルの会話生成、Notebooks 機能の統合まで、無料ユーザーから AI Ultra 加入者まで影響範囲の広い更新がまとめて投入されました。

Mac ネイティブ アプリが正式提供、Option + Space で即時呼び出し

今回の Gemini Drop で最もインパクトが大きいのは、4月15日に提供開始された Gemini Mac アプリです。これまで Mac ユーザーは Web 版を都度立ち上げる必要がありましたが、専用アプリの登場で macOSで使いやすくなりました。

公式案内によると、アプリは gemini.google/mac から無料で入手でき、対応 OS は macOS Sequoia 15.0 以降、対応プロセッサは Apple Silicon(M1 以降)です。グローバル ショートカットは Option + Space に割り当てられており、ブラウザを開くことなく画面上のどこからでも Gemini を呼び出せます。
画面共有機能も備え、表示中のウィンドウを Gemini に共有して質問できる点が紹介されました。

Personal Intelligence がグローバル展開、Nano Banana 2 で個人写真も活用

Personal Intelligence は、ユーザーが許可した範囲で Gmail や Google フォト、Google マップなどのデータを参照し、本人の文脈に沿った回答を返す機能です。今回の Gemini Drop で、有料の Google AI プラン加入者向けにグローバル提供が開始されました。

ただし対象外となる地域も明示されており、欧州経済領域(EEA)、スイス、英国、韓国、オーストラリア、ナイジェリアでは現時点で利用できません。EEA や英国の除外は、GDPR や AI Act の規制対応を見極める必要があるためと見られています。Personal Intelligence は AI Plus / Pro / Ultra 加入者が先行で利用でき、その後数週間で無料ユーザーにも展開する予定とされています。

合わせて、画像生成モデル「Nano Banana 2」も Personal Intelligence と連動するよう強化されました。ユーザー個人のコンテキストや Google フォトのライブラリを参照し、本人の生活や好みに即した画像を生成できる作りで、Gemini アプリ内で「自分らしさを反映したビジュアル」を作るハードルが下がります。

出典: Google「Gemini Drop, April 2026」(https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-app/gemini-drop-april-2026/)

Lyria 3 Pro で 3 分の楽曲生成、NotebookLM 連携とファイル生成も

クリエイティブ用途のアップデートでは、音楽生成モデル「Lyria 3 Pro」が Gemini アプリ内で最長 3 分尺のトラックを無料で生成できるようになり、イントロ・ヴァース・コーラス・ブリッジといった構造単位でプロンプト指示が可能です。Pro モデル自体は 2026 年 3 月 25 日に発表されており、AI Plus は 1 日 10 トラック、Pro は 1 日 20 トラック、Ultra は 1 日 50 トラックという生成上限が公開されています。

NotebookLM をアプリ内に統合する「Notebooks」機能も追加され、Gemini との対話とリサーチノートを 1 つのアプリ内で行き来できるようになりました。複数プロジェクトを並行して走らせるユーザー向けの整理機能で、対話履歴と参照資料の境目を曖昧にしないという狙いがうかがえます。

出典: Google「Gemini Drop, April 2026」(https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-app/gemini-drop-april-2026/)

加えて、チャット ベースのファイル生成機能もグローバル展開されました。プロンプトから Google ドキュメント、Google スプレッドシート、PDF を直接書き出せるようになり、ブレインストーミングから清書までのフローを Gemini 内で完結できる構成になっています。

3D モデルとシミュレーションも、AI Pro はクレジット トップアップに対応

学習・研究用途では、複雑な概念を 3D モデルやインタラクティブなシミュレーションへ変換する機能が追加されました。化学構造や物理現象、データ構造などの説明をチャット中に視覚化できる機能で、文章だけでは伝わりにくいトピックの理解を補助する位置付けです。出典: Google「Gemini Drop, April 2026」(同上)

サブスクリプション側にも調整が入り、Google AI Pro(米国で月額 19.99 ドル、約 3,100 円)の加入者は、追加クレジット「AI クレジットのトップアップ」を購入できるようになりました。所定のレートで購入したクレジットは 12 か月間有効で、これまで AI Ultra 限定だった機能が Pro へ降りてきた格好です。重い画像・動画・音楽生成タスクの月内ピークを吸収する用途を想定しています。※1 米ドル=157 円換算(2026 年 5 月 5 日時点)

まとめ

4 月の Gemini Drop は、Mac ユーザーの常用環境に踏み込むネイティブ アプリ、欧州や一部市場を除いた Personal Intelligence のグローバル展開、3 分尺まで作れる Lyria 3 Pro、Notebooks 統合、ファイル生成、3D 可視化、AI Pro のクレジット トップアップという、機能領域もユーザー層もまたぐ広範な更新となりました。Web 版中心の運用から Mac 常駐型へ移行できる土台が整い、生成系の出力もテキストから音楽・画像・3D まで横展開していく流れです。

次月以降の Drop でどこまで地域差や無料ユーザーへの開放が進むかが、引き続き注目ポイントになりそうです。