Anker Innovations傘下のプリンターブランドeufyMakeが、9月4日から8日までベルリンで開かれるIFA 2026に出展し、次世代のパーソナル布用プリンターの試作機を初めて公開します。ブースのテーマは「From Rigid to Fabric」、つまり硬い素材から布へという印刷対象の拡張です。同社はこれまでUVプリンターのE1で立体的な質感の印刷を個人向けに広めてきましたが、その次の一手が衣類やテキスタイルであることを明確に打ち出した形になります。
硬い素材から布へ、印刷対象を広げる新型機
会場はMesse BerlinのHall 2.2、ブース番号は101です。ここに置かれるのは動作しない静態展示の試作機で、隣にはその機械で刷ったアパレル製品のギャラリーが並びます。実機が刷る様子そのものは一般ブースでは見られませんが、出力サンプルを手に取って質感を確かめられる構成です。
eufyMakeがこれまで扱ってきたのは、アクリルや金属、木材といった硬い素材にインクを盛り上げて印刷するUVプリンターでした。同社はE1を「個人向けとして初の3Dテクスチャー対応UVプリンター」と位置づけており、業務用の設備でしか実現できなかった表現を家庭やスモールビジネスの机の上に持ち込んだ製品です。布は硬い素材と違ってインクが繊維に染み込み、洗濯や伸縮にも耐える必要があるため、UV印刷とは別の技術体系になります。今回の新型機は、その領域に同社が本格参入することを示す製品といえます。
なお、この布用プリンターについては価格も発売時期も公表されていません。現時点で確定しているのは、IFAの会場で試作機が姿を見せるという事実だけです。
8人だけが実機の稼働を見られる非公開プレビュー
試作機が実際に印刷する様子を見られるのは、9月8日に開かれる招待制のクローズドドア プレビューだけです。定員は8人で、応募期間は8月24日から9月2日まで。応募者の中から選ばれた人には9月3日から5日にかけて入場時刻を指定したVIP招待状がメールで届く流れです。
参加者は個室で試作機が動くところを見学し、自分の写真を使ったカスタム印刷を体験できるほか、開発チームと直接話す機会も設けられます。IFAの入場パスは無償で提供されますが、渡航費と宿泊費は自己負担です。8枠という規模から見ても、一般公開前の製品を限られた相手にだけ見せて反応を探る、開発途中ならではの見せ方といえます。
UVプリンターE1には4種類の新アタッチメント
一般ブースで実際に動くのは、既存のUVプリンターE1です。今回はE1に装着する新しいアタッチメント群が揃って披露されます。内訳は、ロール素材からフィルムへ連続して印刷するRoll-to-Film、インクを大容量で連続供給するHigh-Capacity Continuous Ink Supply System、印刷時の空気を処理するPurifier P1 Kit、そして排気を扱うExhaust Kitの4種類です。
顔ぶれを見ると、いずれも1点ものを作る趣味的な使い方よりも、まとまった数を刷り続ける用途を意識した構成になっています。インクを継ぎ足す手間と、UV印刷で発生する臭気や粉塵の処理は、E1を小規模な物販や受注生産に使う人にとって現実的な障害でした。そこを埋める周辺機器を揃えてきたということは、eufyMakeがE1を趣味の道具から小商いの設備へ引き上げようとしていることの表れです。
ブースにはこのほか、来場者が自分の好きな写真をその場でUV印刷し、IFA限定の記念品として持ち帰れるハンズオン コーナーも用意されます。
まとめ
eufyMakeがIFA 2026で見せるのは、硬い素材から布へと印刷対象を広げる次世代機の試作機と、UVプリンターE1を継続運用しやすくする4種類のアタッチメントです。布用プリンターは静態展示が中心で、稼働する実機を見られるのは9月8日の8人限定プレビューに限られます。価格と発売時期はまだ明らかにされていませんが、パーソナル印刷の対象がアクリルや金属から衣類へ移ろうとしている流れは、この展示からはっきり読み取れます。
