エコバックスジャパンが窓拭きロボット「WINBOT W2S PRO OMNI」と「WINBOT W2S PRO」を8月21日に発売しました。価格は税込でOMNIが99,800円、標準モデルが69,800円です。新しいエッジ清掃技術「TruEdge 2.0」を掲げており、これまで手拭きに頼るしかなかった窓枠の際まで機械に任せられるかどうかが、今回の焦点になります。
窓拭きロボットが苦手だった「端」への回答
窓拭きロボットは中央部分をムラなく拭くところまではすでに成熟していますが、ガラスと窓枠が接する数ミリの帯だけは残りやすい、というのが従来の弱点でした。汚れは端に溜まりやすいので、そこが残ると仕上がりの印象を落とします。
W2S PROシリーズが搭載するTruEdge 2.0は、この帯を埋めにいく機構です。八方向に放射状にブラシを配した「ラジアル・エッジロック構造」により、本体がどの向きで走っていてもブラシがガラスの端まで届きます。パッド素材には高密度フェルトブラシを採用し、雨ジミや積もったホコリのような固着した汚れを落とす狙いです。
端まで攻めれば、当然引っ掛かりのリスクも上がります。そこで窓枠を内側と外側の2軸で見るエッジ検知システムと、状況に応じてサイドブラシを自動で上下させる「ダイナミック・リフト&ラン機構」を組み合わせ、枠に乗り上げて止まってしまう事態を抑えています。窓枠の検知にはフォトカプラを使い、応答速度は0.007秒とされています。フレームのない窓や浴室の鏡でも端を認識して停止するため、対応できる場所が広がっています。
水を先に効かせてから拭く
汚れの落とし方も見直されました。3つのノズルから微細なミストを広角に噴射してガラス面に水膜を作り、汚れを浮かせてから拭き取る流れです。乾いたまま擦るより拭き跡が残りにくく、液だれも抑えられます。
水タンクは120mlで、従来の「W1 PRO」「W2 PRO」から容量が約2倍になりました。これにより清掃可能な範囲が約25パーセント広がり、1度の給水で最大75平方メートルまで連続して拭けます。掃き出し窓が並ぶリビングを一気に片付けたい場合、途中で給水に呼び戻される回数が減るのは実用面で効いてきます。
走行ルートを決めるのはナビゲーションシステム「WIN-SLAM 4.0」です。スポット清掃、分割清掃、エッジ清掃、徹底清掃、念入清掃、高速清掃の6モードを備え、専用アプリ「ECOVACS HOME」から遠隔でモードを切り替えられます。動作音は66デシベルで、気流制御や吸音材など4つの静音技術で抑えられています。
ステーションの有無で変わる自由度
2モデルの違いは、付属するOMNIステーションの有無だけです。ただし、この差が使い勝手をかなり左右します。
W2S PRO OMNIはステーションに大容量リチウムバッテリーを内蔵しており、満充電から最大110分の連続稼働ができます。コンセントの位置に縛られないため、電源を引きにくいバルコニーや屋外側のガラスにも持ち出せます。一方のW2S PROは動作中ずっと電源ケーブルをコンセントにつないでおく必要があり、電源ケーブルの長さは6.8メートル(複合ケーブル5メートルとDC1.8メートル)です。
ケーブルまわりの扱いもOMNI側が有利です。安全ロープと電源コードを1本にまとめた2-in-1複合ケーブルを採用し、ステーション側に自動収納機能を備えています。準備と片付けでコードをほどく手間が減るのは、面倒で後回しにされがちな窓掃除では見逃せない部分です。ステーションは表示付きの操作パネルを持ち、自動巻き取りや清掃モードの選択をボタン1つで実行できます。
落下対策は3系統
高所の外窓を扱う以上、安全機構は仕様の中心です。本体は最大10,000パスカルの吸着力でガラスに張り付き、自動気圧補正機能やフローティング式のクリーニングパッドプレートなど、複数のハードウェアによる落下防止機構を備えています。バッテリー残量が下がった場合でも、約30分は吸着した状態を保ちます。
W2S PROには5.5メートルの安全ロープが付属し、カラビナで固定して使います。W2S PRO OMNIの場合はステーション自体が支点になり、5キログラムの質量がカウンターウェイトとして働くほか、床面に最大800ニュートンで吸着してステーションごと落ちることを防ぎます。こちらにも1メートルの安全ロープとカラビナが付属します。
主なスペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年8月21日 |
| 価格(税込) | W2S PRO OMNI 99,800円 / W2S PRO 69,800円 |
| 本体サイズ | 272×272×76mm |
| 本体質量 | 約2.1kg |
| 最大吸着力 | 10,000Pa |
| 水タンク容量 | 120ml |
| 最大清掃面積 | 約75平方メートル |
| 連続稼働時間 | 最大110分(OMNIのみ) |
| 対応窓サイズ | 最小30×40cm 〜 最大8×2.5m |
| 動作音 | 66dB |
| ナビゲーション | WIN-SLAM 4.0 |
まとめ
WINBOT W2S PROシリーズは、窓拭きロボットの積み残しだった「端の数ミリ」をTruEdge 2.0で埋めにいった製品です。水タンクの倍増で1回あたりの守備範囲も広がり、大きな窓が続く住まいほど効果が出やすい構成になっています。ステーション付きのOMNIは3万円高くなりますが、電源から解放されて屋外側のガラスにも回せる点と、ケーブルの自動収納まで含めると、価格差の内訳は分かりやすいと言えます。
