Anthropicのコーディング支援ツール Claude Code に、バージョン 2.1.261 が届きました。目玉は新しいスラッシュコマンドの /skill-doctor です。読み込んだまま一度も呼ばれていないスキルと、それがコンテキストをどれだけ食っているかを一覧にしてくれます。スキルを増やしすぎて動作が重くなった環境を、数字を見ながら整理できるようになります。
使われないスキルを名指しする /skill-doctor
Claude Code のスキルは、特定の作業手順をまとめて読み込ませておく仕組みです。便利なので入れ続けてしまいがちですが、読み込んだスキルはそのぶんコンテキストを占有します。占有量が増えれば、実際の作業に回せる余地は減っていきます。
2.1.261 で追加された /skill-doctor は、この見えにくい部分を数字にします。実行すると、読み込まれているスキルのうち使われていないものと、それぞれのコンテキスト上のコストが表示されます。整理する候補を勘ではなく実測で選べるのが、この機能のいちばんの価値です。
/skill-doctor
プラグインやスキルを何十個も入れている環境ほど効きます。まずは実行してみて、心当たりのないスキルが並んでいないかを確認するところからで十分です。
長い出力をファイルに逃がす前に、もっと読ませる
作業まわりでは、出力量の上限に手が入りました。新しく bashOutputMaxChars と taskOutputMaxChars という2つの設定が加わり、コマンドやバックグラウンドタスクの出力を、ファイルに退避される前にどこまで直接読ませるかを調整できます。上限は最大で12万8,000文字です。
ログやテスト結果をそのまま読ませたい場面では、ファイルに落ちてから読み直すより、その場で渡したほうが速く済みます。長い出力を頻繁に扱う人にとっては、地味ながら効いてくる変更です。
あわせて --append-subagent-system-prompt-file が追加されました。サブエージェント向けのシステムプロンプトをファイルから読み込むためのもので、コマンドラインに書き切れないほど長いプロンプトを渡す場合に使います。
組織の設定が読めない理由を表示
企業利用まわりの改善も入りました。/status と claude doctor の出力に「Organization policy」の行が加わり、組織のポリシーを読み込めなかったときにその理由が表示されます。想定されている例として挙げられているのが、プロキシが該当のエンドポイントを通していないケースです。
この手の失敗は、原因が分からないまま設定を疑い続けることになりがちです。理由が1行出るだけでも、切り分けにかかる時間はかなり変わります。
安全側に寄せた挙動の変更
細かい挙動もいくつか変わりました。危険な rm の確認プロンプトは、位置パラメータに対する rm -rf や、ダブルクオートで囲んだ sh -c スクリプトの中にあるものまで拾うようになっています。
自動承認の範囲も見直されました。公開のダイアグラム描画サービスに内容をURLへ詰め込んで渡すリンクは、そのサイトへのアップロードと同じ扱いになり、こちらから頼んでいない限り自動では通らなくなりました。手元の内容が外部へ出る経路を、明示的な指示があるときだけに絞る方向の変更です。
入力まわりでは、単語単位の編集キーが Bash の挙動に合わせられました。Ctrl+W は空白まで戻って削除し、Alt+F と Alt+D は単語の末尾で止まり、記号は単語の区切りとして扱われます。これに伴い keybindingFlavor の設定は効かなくなりました。ターミナルでの操作感を統一したいという整理でしょう。
VS Code はセッションを「しまえる」ように
VS Code 拡張にも手が入っています。セッション一覧の右クリックメニューに「Archive session」が追加され、あわせて Unarchive には専用のアイコンが用意されました。消す以外の選択肢として、いったんしまっておく操作が用意された形です。
MCP サーバーのダイアログにはサーバーを追加するフォームと削除のメニューが付き、エディタを離れずに構成を変えられるようになりました。モデルピッカーは全モデルをひとつの平坦な一覧にまとめ、古い表記のモデル名は末尾に回されています。権限確認や質問のカードには折りたたみボタンが付き、カードを消さずに後ろの会話を読めます。
まとめ
Claude Code 2.1.261 の中心は /skill-doctor です。読み込んだスキルが使われているのか、コンテキストをどれだけ使っているのかを表示し、増えすぎた構成を実測で整理できるようにします。あわせて出力上限の設定追加、組織ポリシーの失敗理由の表示、危険なコマンド検知と自動承認の見直し、VS Code 側のアーカイブ対応が入りました。派手な新機能というより、使い込んだ環境ほど効いてくる整備の回です。
