ASUS は 2026 年 5 月 11 日、プロフェッショナル向けの 4K QD-OLED モニター「ProArt Display OLED PA27USD」(26.5 インチ) と「ProArt Display OLED PA32USD」(31.5 インチ) を発表しました[1]。240Hz リフレッシュレート、ピーク輝度 1000 ニト、工場出荷時の Delta E < 1 キャリブレーションを揃え、映像編集・ポストプロダクション用途を主眼に置いた構成です[1]。
4K QD-OLED と 240Hz、編集現場の役割を 1 台に集約
PA27USD と PA32USD は、いずれも 3840 × 2160 の 4K QD-OLED パネルを採用し、HDR ピーク輝度 1000 cd/m² (3% 領域)、コントラスト比 1,500,000:1 を公称しています[1]。色域は DCI-P3 99 %、sRGB と Rec. 709 をそれぞれ 100 % カバーし、真の 10 ビット表示で 10 億 7,370 万色を再現できる仕様です[1]。
特徴的なのは 240Hz リフレッシュレートと Adaptive-Sync (VRR) への対応で、ASUS は「高速レンダリングの確認と最終クオリティチェックを 1 台でこなせる」と説明しています[1]。応答速度は GTG 0.1ms、HDMI 2.1 (FRL) でも 4K/240Hz 入力を受けられるため、ハイフレームレートのプロジェクトをそのまま編集タイムラインで確認しやすくなっています[1]。
モーター式の内蔵コロリメーターで自動キャリブレーション

両機種は工場で Delta E < 1 まで色精度を追い込んだうえで、本体に モーター駆動のフリップ式コロリメーターを内蔵しています[1]。OSD からスケジュールを組むだけで、PC を介さず単体でセルフキャリブレーションを実行できるほか、業務時間外に自動で再キャリブレーションを掛ける運用も想定されています[1]。
ASUS ProArt Hardware Calibration では、色パラメーターのプロファイルを PC ではなくモニター内部のスケーラー IC に保持する設計を採用しており、OS や接続機器を変えても設定をやり直さずに済みます[1]。Calman や Light Illusion ColourSpace といったサードパーティ製ハードウェアキャリブレーションソフトにも対応し、複数台の運用ではクラウド型の「ProArt Color Center」で一括スケジュール管理が可能です[1]。HDR は HDR10、HLG、Dolby Vision の 3 規格に対応し、放送・配信・ストリーミングのワークフローを横断的にカバーします[1]。
12G-SDI と Thunderbolt 4 を両搭載、価格と発売時期
接続性は両機種とも Thunderbolt 4 を 2 系統備え、片側は最大 96W の Power Delivery、もう片側はマルチディスプレイのデイジーチェーン入力に充てられます[1]。HDMI 2.1、DisplayPort 2.1、USB-A × 2 と USB Type-C を 1 ポート備える USB 3.2 ハブも内蔵します[1]。さらに PA27USD は 12G-SDI 入力を 1 系統、PA32USD は 2 系統装備し、4K/60Hz の非圧縮信号を直接取り込めるため、キャプチャカードを介さずカラリストや VFX のワークフローにつなげられる構成です[1]。
価格は PA27USD が US$ 2,199 (約 34 万 5,000 円)、ハードケースを同梱した Panaro MAX Rugged Case Edition が US$ 2,599 (約 40 万 8,000 円) で 5 月の発売予定です[1]。PA32USD は US$ 2,699 (約 42 万 4,000 円) で 6 月発売を予定しています[1]。なお国内価格と販売時期は別途案内予定で、対象地域では Adobe Creative Cloud などを 3 か月無料で利用できるトライアル特典 (US$ 803.85 相当、約 12 万 6,000 円) も付帯します[1]。PA27USD は CES 2026 Innovation Award と Red Dot Product Design Award を受賞しており、製品ラインの位置付けを ASUS は前面に出しています[1][2]。※1 ドル 157 円換算
まとめ
ProArt Display OLED PA27USD と PA32USD は、4K QD-OLED に 240Hz と内蔵コロリメーターを組み合わせ、編集と最終確認を 1 台にまとめたい現場を狙ったモニターです。12G-SDI 入力を備える点と、サードパーティ製キャリブレーションソフトに開かれている点で、放送・映画系のスタジオ用途にも振れる柔軟さがあります。国内での価格と入手時期が明らかになるタイミングで、改めて評価したい 2 機種です。
出典:[1] ASUS Pressroom「ASUS Announces ProArt Display OLED PA27USD and PA32USD」 https://press.asus.com/news/press-releases/asus-proart-oled-pa27usd-pa32usd-4k-qd-oled-monitors/
出典:[2] CES Innovation Awards「ProArt Display PA27USD」 https://www.ces.tech/ces-innovation-awards/2026/proart-display-pa27usd/