Anthropicは7月23日、対話アシスタント「Claude」の音声モードを刷新したと発表しました。これまで音声モードは応答の速いHaikuモデルに固定されていましたが、今回の更新でOpus・Sonnet・Haikuの3モデルから用途に応じて選べるようになります。加えて、GmailやGoogleカレンダー、Slack、Canva、Notionといった主要なアプリと連携し、声だけで予定の変更やメールの下書きまでこなせる点が大きな特徴です。新しい音声モードは、各プラットフォームでベータとして提供されます。
応答の速さと賢さを両立、3モデルを選べる音声モード
昨年に登場したClaudeの音声モードは、軽量なHaikuモデルを使うことで素早い応答を返せる一方、複雑な作業には力不足という課題がありました。今回の更新では、この制約を解き、Opus・Sonnet・Haikuの3モデルを選べるようにしています。既定では、直前までテキストチャットで使っていたモデルを引き継ぎ、その最速版を自動的に適用する仕組みです。会話の途中でもモデルを切り替えられるため、軽いやり取りはHaiku、じっくり考えたい相談はOpus、といった使い分けができます。
Anthropicは、賢いモデルを選べるようになったことで、長めの会話にも向くようになったと説明しています。たとえば、自分の話し方や伝え方についてフィードバックをもらう、顧客向けのプレゼンを声に出して練習する、新しい製品のアイデアや市場調査の切り口を一緒に考える、といった使い方を挙げています。頭の中で固まりきっていない考えを声に出して整理する相手として、音声モードの実用性が一段高まった形です。
主要アプリと連携し、声で作業まで進められる
もう一つの目玉が、外部アプリとの連携です。Claudeの音声モードは、GmailやGoogleカレンダー、Slack、Canva、Notionといったサービスにアクセスできるようになりました。これにより、声で会議の時間を調整したり、メールの下書きを作らせたり、Notionに新しいドキュメントを用意させたりできます。単に質問へ答えるだけでなく、身近な業務アプリを声で動かせるようになった点は、日常の使い勝手に直結します。
この点は、競合であるOpenAIの音声モードとの違いとしても際立ちます。OpenAIは先ごろ音声モードの会話スタイルを刷新しましたが、外部ツールを操作して実際の作業を片づける機能はまだ持っていません。Anthropicは、話しながら作業そのものを前に進められる、実務で使える音声アシスタントという方向性を明確に打ち出したと言えます。
日本語を含む10言語に対応、無料版は一部制限
対応言語も広がっています。今回の音声モードは、英語、フランス語、ドイツ語、ヒンディー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語(ラテンアメリカ・スペイン)の10言語に対応します。ただし、話す言語は利用者が手動で指定する必要があります。Anthropicは今年に入って音声モードの多言語対応をベータで追加しており、今回はその流れを引き継いだ格好です。
提供範囲は各プラットフォームのベータで、すべての利用者が使えます。ただし、無料プランではHaikuモデルと、連携できるアプリ1つに制限されます。OpusやSonnet、複数のアプリ連携をフルに活用するには、有料プランが必要です。
音声そのものは据え置き、対話の質はOpenAIと対照的か
一方で、今回の更新で手が入ったのはモデルの選択とアプリ連携が中心で、音声の生成そのものには変更が加えられていません。Anthropicは、どのような音声処理の仕組みを使っているかについても、詳しくは明らかにしていません。そのため、会話中の割り込みへの対応といった、対話の自然さにかかわる部分の改善は、今回のアップデートでは期待しにくいと見られます。会話スタイルの刷新に力点を置いたOpenAIの直近の更新とは、力の入れどころが対照的です。とはいえ、選べるモデルの幅とアプリ連携という実務寄りの強化は、日々の作業に音声アシスタントを組み込みたい利用者にとって、分かりやすい前進と言えそうです。
まとめ
Anthropicは、Claudeの音声モードを刷新し、Opus・Sonnet・Haikuの3モデルを選べるようにしました。直前にテキストチャットで使ったモデルを引き継ぎ、会話の途中でも切り替えられます。GmailやGoogleカレンダー、Slack、Canva、Notionと連携し、声で予定変更やメールの下書き、ドキュメント作成まで進められる点が特徴です。日本語を含む10言語に対応し、各プラットフォームでベータ提供されますが、無料プランはHaikuと連携アプリ1つに制限されます。音声そのものは据え置きで、対話の自然さよりも実務での使い勝手を高めることに軸足を置いた更新と言えそうです。
