Anthropicが2026年6月11日(米国時間)、キャリア初期の若手人材を全米の非営利団体へ1年間派遣するフェローシッププログラム「Claude Corps」を発表しました。1,000人のフェローにClaudeの活用方法を教え、給与を支払いながら非営利団体の活動を支援してもらう取り組みで、初期投資として1億5,000万ドル(約240億円)を投じます[1]。
非営利3組織との連携で運営 AIの恩恵を広く行き渡らせる狙い
Claude Corpsは、AIがもたらす変化の恩恵をコミュニティに広く行き渡らせることを目的とした全米規模のプログラムです。Anthropicは「変革的なAIの恩恵は、大きな混乱という代償を伴いかねない。この技術を作る企業には、恩恵が広く共有されるようにし、変化を受け止める働き手に直接投資する責任がある」と説明しています[1]。
運営は3つの組織のパートナーシップで行われます。Anthropicが資金提供と全体戦略、Claudeに関する専門知識の提供を担当し、米国最大の大学向けコンピューターサイエンス教育団体であるCodePathがフェローの雇用主としてプログラム運営を担います。さらに非営利の登録投資顧問であるSocial Financeが効果測定と評価を行い、プログラムを拡大するための長期的な資金スキームを構築するとのことです[1]。
なお、本プログラムはAIが雇用に与える影響に対処するAnthropicの政策フレームワークと同時に発表されたものです[1]。
給与は年8万5,000ドル 研修とサポートも手厚く
フェローシップの期間は12か月です。プログラム開始時にAnthropicとCodePathが非営利団体でのClaude活用について集中研修を行い、配属後も週5時間の継続研修を受けながら、残りの時間を受け入れ先の業務に充てます[1]。
待遇面では、年額8万5,000ドル(約1,360万円)のフルタイム給与と福利厚生に加え、CodePathのメンターによる支援、技術的な質問に答えるAnthropicのオフィスアワー、潤沢なClaudeトークン予算が提供されます[1]。
受け入れ先は今後12か月で少なくとも400の非営利団体にのぼる予定です。低所得層の学生の就職を支援するBraven、無料のコーディング教育を提供するCode the Dream、海洋保全に取り組むREEF、テキサス州のフードバンクMontgomery County Food Bank、退役軍人の健康支援を行うTeam Red, White & Blueなど、教育・福祉・環境と幅広い分野の団体が名を連ねています[1]。
応募は学歴不問 第1期は2026年10月開始
フェローの応募はすでに受付が始まっており、2026年10月開始の第1期100人の締め切りは7月17日です。続く第2期(2027年1月開始)と第3期(2027年8月開始)は随時応募を受け付けます[1]。
応募条件は、18歳以上でフルタイムの職務経験が2年未満であることのみで、学歴は問われません。米国での就労資格があり、Claudeを使った作業に抵抗がなく、必要に応じて転居できることが求められます(転居支援あり)。受け入れを希望する非営利団体の応募も同時に始まっています[1]。
Anthropicはプログラムの成果を厳密に測定したうえで、フェローを1,000人以上に拡大する構想を描いています。プログラムを支える中核技術の一部をオープンソース化し、他の組織が同様の取り組みを立ち上げられるようにするほか、米国外への展開も視野に入れているとのことです[1]。
※1ドル=160円換算(2026年6月10日時点)
まとめ
Claude Corpsは、AI企業が「AIで仕事が変わる時代の働き手」へ直接投資する初の大規模な試みといえます。年8万5,000ドルの給与付きで1年間AIスキルを磨けるフェロー側のメリットと、技術人材を確保しづらい非営利団体側のメリットを両立させた設計が特徴です。1,000人規模への拡大やオープンソース化、米国外展開がどこまで進むのか、今後の動向に注目です。
