GoogleがGemini Notebookに学習向けの新機能をまとめて追加します。手元のノートと声で会話する機能、スマホで講義を録音する機能、小テストやフラッシュカードを1画面に束ねる機能、60秒前後の解説動画を作る機能の4つが柱です。デザインも刷新され、大学生向けには1年間の無償プランも用意されました。
ノートに話しかけて理解を深める
今回の目玉は、モバイルアプリ上でノートブックとリアルタイムに会話できる機能です。AndroidとiOSの両方に対応し、対応言語は約100にのぼります。
仕組みとして重要なのは、返ってくる答えが自分で登録した資料に基づいている点です。一般的なチャットAIのように広い知識から答えるのではなく、教科書のPDFや講義メモといった手元のソースを土台に説明が組み立てられます。途中で口を挟んで質問したり、分からない箇所を段階的に説明し直してもらったりもできます。机に向かって読み返すより、誰かに解説してもらいながら理解したいタイプの人には相性が良さそうです。
提供はまず、18歳以上のGoogle AI Ultra契約者から始まります。Google AI Proやそれ以外の層へは、その後順次広がる予定です。
講義の録音がそのままソースになる
モバイルアプリには録音機能も加わります。教室での講義や、移動中に思いついたことをその場で録音し、既存の資料と同じ場所に置いておけるようになります。
Gemini Notebookはこれまでも、手書きノートやプリントを写真で取り込む使い方に対応していました。そこに音声が加わることで、紙と音声が同じノートブックの中に並び、どちらもチャットの引用元として扱えるようになります。録音した内容は後から編集でき、そのまま要約や小テストの材料にも回せます。
こちらの提供開始は来週からとされています。ウェブとモバイルの両方で使え、年齢制限もありませんが、当面は出力言語の設定を英語にしているユーザーが対象です。日本語環境で使えるようになる時期は明らかにされていません。
小テストの形式が増え、結果をそのまま相談できる
学習用のまとめ機能も手が入ります。レポート機能の下で「インタラクティブな学習概要」を作れるようになり、要約とインフォグラフィック、小テスト、フラッシュカードを1つのまとまりとして扱えるようになります。
小テストの形式も増えます。これまでの形式に加えて、短答式、複数選択式、穴埋め式が追加される予定です。試験の出題形式は科目によってばらつきがあるため、選択肢が増える意味は小さくありません。
面白いのは、解き終わった後の動線です。小テストやフラッシュカードの結果について、そのままノートブックのチャットに質問できます。どこを間違えたのか、次に何を復習すべきかを、同じ画面の中で詰められる流れです。設問を自分で書き足したり、文面を直したりもできます。学習概要と新しい小テスト形式はいずれも、数週間かけて全ユーザーへ展開される見込みです。
60秒の解説動画を80言語以上で
ショート動画の生成にも対応します。登録した資料から60秒程度の短い解説動画を作る機能で、80以上の言語に対応します。
ナレーションによる解説に図解のアニメーションを重ねる構成で、公式は数式や図、科学的な概念のように、文章だけでは飲み込みにくいものを扱う用途を想定していると説明しています。作った動画は同級生や他の人と共有できます。
大学生は1年間無料、利用上限も引き上げ
機能追加と合わせて、大学生向けの無償提供も案内されました。米国の大学生は、月額19.99ドル(約3,100円)のGoogle AI Proを1年間無料で利用できます。Gemini Notebookの利用上限は、無料ユーザーと比べて4倍になります。
米国以外については、Google AI Plusが提供されている140以上の市場の大学生が対象で、こちらも1年間無料です。月額4.99ドル(約770円)相当のプランで、利用上限は2倍に引き上げられます。公式が挙げている対象外の地域はボリビア、アルバニア、カナダ、マカオ、香港、チュニジア、そして米国で、日本はこの中に含まれていません。
※1ドル155円換算
いずれも申し込み期限は2026年12月31日で、登録時に有効な支払い方法が必要です。無料期間が終わると自動的に有料へ切り替わるため、続けない場合は期間内の解約が必要になります。
Gemini Notebookは9月上旬に利用上限の考え方を計算量ベースへ切り替えており、重い処理をどれだけ回せるかがプランの差として出やすくなっています。上限が4倍・2倍という数字は、その文脈で見るとそれなりに効いてくる条件です。
まとめ
今回の更新は、Gemini Notebookを「資料を要約するツール」から「勉強そのものを進める場所」へ寄せる内容です。声で対話し、講義を録音し、小テストで確認して、つまずいた箇所をその場で聞き直す。一連の流れが1つのノートブックの中で完結する設計になっています。当面は英語環境や上位プランが先行するため、日本語で全機能を試せるようになるまでにはもう少し時間がかかりそうです。
