OpenAI は 2026 年 5 月 7 日、ChatGPT に新しい安全機能『Trusted Contact』を導入したと発表しました[1]。利用者があらかじめ信頼できる大人を 1 名登録しておくと、会話の中で自傷の兆候が深刻なものと判断された場合に、その連絡先へ短い通知が送られる仕組みです[1][2]。プライバシーへの配慮として会話の本文や詳細は共有されず、自動検知と人間のレビューを組み合わせたうえで送信される設計になっています[1][2]。

機能の概要と利用条件

Trusted Contact は任意のオプトイン機能で、ChatGPT の設定画面から有効化できます[1][3]。指名できる相手は、世界では 18 歳以上、韓国では 19 歳以上の大人 1 名に限られます[1][4]。指名された相手にはメール・SMS・アプリ内通知のいずれかで招待が届き、その内容を読んだうえで 1 週間以内に承諾する必要があります[1][4]。期限内に承諾されなかった場合や辞退された場合は、別の大人を改めて指名できます[4]。利用者側はいつでも設定画面から連絡先を変更したり解除したりできるため、家族構成や交友関係の変化にも合わせやすい構成です[1]。

通知が送られるまでの仕組み

Trusted Contact は単純なキーワード検知ではなく、自動システムと専門の人間レビューを 2 段で重ねた判定を採ります[1][2]。まず自動分類器が会話のなかで深刻な自傷の兆候を示す可能性があると判断すると、ChatGPT は本人に対し連絡先へ連絡を取るよう促し、会話のきっかけになる文章を提案します[1]。同時に、訓練を受けた小規模な安全チームが状況を確認し、本当に通知が必要かどうかを判断します[1][2]。OpenAI は「安全に関する通知のレビューを 1 時間以内に行うことを目指す」としています[1][2]。送信される通知は短い文面に限られ、会話そのものの内容は共有されません[1][2]。

背景と既存機能との関係

OpenAI は 2025 年 11 月以降、ChatGPT との会話のあとに自殺で命を落とした利用者の家族から、複数の訴訟を起こされてきました[2]。Trusted Contact はこの流れを受けた一連の安全策の延長にあり、2025 年 9 月に提供を始めた保護者向けコントロールにも近い位置づけです[2]。保護者向けコントロールでは 10 代の子どものアカウントに親が一定の見守りを行えますが、Trusted Contact はその対象を成人にまで広げ、自分自身が信頼する相手を選べるようにした点が特徴です[1][2]。なお、自傷について話題になった際の専門相談窓口の案内は以前から自動表示されており、今回の機能はそれに加わる形で組み込まれます[2]。一方で、Trusted Contact はあくまで任意であり、複数アカウントを使い分ける利用者には行き届かない、という現実的な限界も指摘されています[2]。

まとめ

Trusted Contact は、AI との会話で深刻な兆候を検知した際に、利用者があらかじめ指名した相手へ短い通知を届ける仕組みです。会話本文は共有されず、人間のレビューを経たうえで送られる点で、プライバシーと安全のバランスを取ろうとする設計が見えます。完全な解決策ではないものの、孤立しがちな状況で身近な人に橋渡しをする選択肢が、ChatGPT の標準機能として提供された意味は小さくありません。

出典:https://openai.com/index/introducing-trusted-contact-in-chatgpt/

出典:https://techcrunch.com/2026/05/07/openai-introduces-new-trusted-contact-safeguard-for-cases-of-possible-self-harm/

出典:https://www.androidauthority.com/chatgpt-trusted-contact-3665049/

出典:https://www.medianama.com/2026/05/223-openai-trusted-contact-chatgpt-self-harm-risks/