OpenAI は 2026 年 5 月 7 日(米国時間)、ChatGPT 内に表示する広告のテストを、これまで先行していた米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドに加えて、日本・英国・ブラジル・韓国・メキシコの 5 か国へ向こう数週間で順次拡大すると明らかにしました[1][2]。同時に米国では、自社の「ChatGPT Ads Manager」をベータ公開し、CPC 入札と Conversions API などの計測機能を整備すると発表しています[3][4]。
日本を含む 5 か国へ広告テストを拡張
今回の拡張で対象に加わるのは日本、英国、ブラジル、韓国、メキシコの 5 か国です。OpenAI はパイロットを「慎重に拡げる」と説明し、すでに広告が表示されていた米国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドと同じ仕様で順次ロールアウトする方針です[1][2]。
対象となるのは無料プランと月額の安価なプラン「ChatGPT Go」のユーザーで、ChatGPT Plus、Pro、Business、Enterprise、Education の有料プラン契約者には引き続き広告は表示されません。広告は「Sponsored」と明示され、ChatGPT 本体の回答とは視覚的に分離した形で挿入される設計が維持されます[2]。
18 歳未満と推定されるユーザーには広告を出さず、健康・メンタルヘルス・政治といった「センシティブまたは規制対象のトピック」周辺にも広告は表示しないという既存ルールも引き継がれます[2]。回答自体は広告の影響を受けないとされ、広告主側もユーザーの会話履歴・記憶・個人情報には触れられず、表示回数やクリックなどの集計値だけを受け取る仕組みです[2]。
自社 Ads Manager と CPC 入札、計測ツールを整備
海外展開と前後して、OpenAI は米国向けに ChatGPT Ads Manager のベータを公開しました。これまでは少数の代理店経由でのみ出稿できましたが、Ads Manager を使えば米国の広告主は自分でアカウントを作成し、キャンペーンの作成・予算管理・配信・最適化までを直接ハンドリングできます[3][4]。
入札方式は、パイロット段階で中心だった CPM(インプレッション課金)に加えて、CPC(クリック課金)が新たに選べるようになりました。OpenAI は CPM と CPC の両方を今後も並行して提供し続ける方針を示しています[4]。CPC 導入により、検索広告や SNS 広告に近い感覚でパフォーマンスを評価しやすくなる点が、広告主の関心を集めています[4]。
計測面では、Conversions API とピクセルによるトラッキングが追加され、ChatGPT 経由の流入後にサイト側で発生したコンバージョンを取り込めるようになりました[4]。代理店パートナーとしては Dentsu、Omnicom、Publicis、WPP の 4 大広告グループが、テクノロジー パートナーには Adobe、Criteo、Kargo、Pacvue、StackAdapt が名前を連ねています[3]。
ユーザーへの影響と「広告のオフ」オプション
無料・Go プランの利用者にとっては、目に映る ChatGPT の応答画面にスポンサー枠が並ぶことが日常になります。広告は会話のトピックや過去のチャット、これまでに広告に対して行ったリアクション(非表示・タップなど)を踏まえてマッチングされ、広告主側に個別の会話内容や記憶は共有されない仕組みが OpenAI から重ねて強調されています[2]。
ユーザー側のコントロールも従来から拡張されています。広告のミュートやフィードバック送信、広告データの一括削除、広告のパーソナライズ自体のオフがアプリ内で可能で、有料プラン(Plus、Pro、Business など)に切り替えれば広告そのものを消せます。これに加えて、無料・Go プラン利用者は「1 日あたりの無料メッセージ数を減らす代わりに広告をオフにする」オプションも選べるようになっています[5]。
ChatGPT Ads Manager の最低出稿額は引き下げられ、中小企業や個人ブランドでもセルフサーブで実験を始められる規模感になっています[3]。日本では、対象が無料・Go ユーザーである点と、CPC で計測できる点を踏まえると、広告主が日本市場の ChatGPT 上で実際の購買行動につながる送客動線を試す段階に入る形です。
まとめ
ChatGPT 広告のパイロットは、米州・オセアニア中心から日本を含む欧州・アジア・中南米の主要市場へ広がり、米国では自社 Ads Manager と CPC 入札、Conversions API までが揃いました。無料・Go ユーザーには広告が表示され、有料プランは引き続き広告なしという棲み分けは維持されます。日本のユーザーと広告主の双方にとって、生成 AI 上の広告環境が現実に届く段階に入ったタイミングです。
出典:[1] OpenAI Product Releases「Testing ads in ChatGPT」 https://openai.com/news/product-releases/
出典:[2] Axios「OpenAI brings ads to ChatGPT Go and Free tiers」 https://www.axios.com/2026/02/09/chatgpt-ads-testing-go-free
出典:[3] OpenAI「New ways to buy ChatGPT ads」 https://openai.com/index/new-ways-to-buy-chatgpt-ads/
出典:[4] Search Engine Journal「OpenAI Launches Self-Serve Ads Manager for ChatGPT」 https://www.searchenginejournal.com/openai-launches-self-serve-ads-manager-for-chatgpt/573971/
出典:[5] Digiday「'Expand thoughtfully': OpenAI offers ChatGPT ads to new markets including the U.K., Brazil and Japan」 https://digiday.com/media-buying/expand-thoughtfully-openai-offers-chatgpt-ads-to-new-markets-including-the-u-k-brazil-and-japan/
