NVIDIAは、アジア最大級の技術見本市COMPUTEXの「ベストチョイスアワード(BCA)」で、AIスーパーコンピューター「Vera Rubin NVL72」、エッジAIプラットフォーム「Jetson Thor」、自動運転向けオープン基盤「Alpamayo」が4つの賞を受賞したと発表しました[1]。あわせて6月1日から4日まで台北でGTC Taipeiを開催し、初日に創業者兼最高経営責任者のJensen Huang氏が基調講演を行います[1]。
COMPUTEX 2026のベストチョイスアワードで4つの賞
ベストチョイスアワードは、COMPUTEXに合わせて開かれるアジア有数の技術コンテストで、製品の機能性、革新性、市場性をもとに評価されます[1]。今回NVIDIAは、AIコンピューティング、集積回路、自動運転(AV)開発の各分野で評価を受け、4つの賞を獲得しました[1]。
内訳は、ラックスケールのAIスーパーコンピューター「Vera Rubin NVL72」がゴールデンアワードとサステナブルテック特別賞、エッジAIとロボット向けの「Jetson Thor」がゴールデンアワード、自動運転開発向けのオープン基盤「Alpamayo」が車両技術・スマートコックピット部門賞という構成です[1]。データセンター向けの大型システムから、ロボットや車載といった現場で動くAIまで、幅広い領域で評価された形です。
ラックスケールAIスパコン「Vera Rubin NVL72」
ゴールデンアワードとサステナブルテック特別賞を獲得したVera Rubin NVL72は、36基のNVIDIA Vera CPUと72基のNVIDIA Rubin GPUを、第6世代のNVIDIA NVLink Switchで束ねたシステムです[1]。スケールアウト側にはConnectX-9 SuperNICとSpectrum-X Ethernet、ストレージやセキュリティの処理を担うBlueField-4 DPUを組み合わせています[1]。
性能面では、推論におけるワットあたりの処理性能が最大10倍に高まり、トークンあたりのコストを最大10分の1に抑えられるとしています[1]。エージェント型AIや推論、長いコンテキストを扱う処理に向けて設計され、ラック内からデータセンター全体まで処理能力を拡張できる点が特徴です[1]。
サステナブルテック特別賞につながった省電力・省施工の工夫も目立ちます。ケーブルとホースを使わず、ファンも持たないモジュール式トレイ構造により、計算トレイ1台あたりの組み立て時間を従来の2時間から5分に短縮します[1]。電力シェルフは6倍のエネルギーを蓄えて電力変動をならし、ラックと電力網の双方を急な負荷の上下から守ります[1]。さらに100パーセント液冷の構成で摂氏45度で動作するため、既存の液冷データセンターにそのまま組み込みやすく、冷却に回していた電力をトークン生成に振り向けられるとしています[1]。
エッジAIとロボット向けの「Jetson Thor」
ゴールデンアワードを受けたJetson Thorは、現場で動く物理AIや自律ロボット向けに作られたエッジAIの計算基盤です[1]。NVIDIA Blackwell GPUアーキテクチャを採用し、最大2,070 FP4テラフロップスのAI性能を、40ワットから130ワットの間で構成できる小型モジュールにまとめています[1]。
前世代のJetson Orinと比べると、演算性能で7.5倍、電力効率で3.5倍に達するとされています[1]。すでに数百の用途で量産が始まっており、生成AIをスマートロボットや産業システム、医療機器、自律機械へ持ち込む役割を担います[1]。
自動運転向けオープン基盤「Alpamayo」
車両技術・スマートコックピット部門賞を受けたAlpamayoは、推論にもとづく自動運転開発のためのオープンな基盤です[1]。歩行者の曖昧な手信号をどう読み取るか、信号と路面表示が食い違うときにどちらを優先するか、車線にはみ出して停車する緊急車両をどう安全に追い越すかといった、学習データに現れにくい複雑な場面への対応を狙います[1]。
基盤には、自動運転研究向けで100億パラメータの思考連鎖型ビジョン言語アクションモデル「Alpamayo 1.5」と「Alpamayo 1」、高精度な開発に使えるオープンソースのエンドツーエンド・シミュレーション環境「AlpaSim」、そして地域や状況の異なる1,700時間超の走行データを収めた「NVIDIA Physical AI Open Datasets」が含まれます[1]。
GTC Taipeiは6月1日から4日まで台北で開催
これらの製品は、6月1日から4日まで台北のCOMPUTEX会場で開かれるGTC Taipeiで本格的に披露されます[1]。Jensen Huang氏は6月1日の台北時間11時に基調講演を行う予定です[1]。
イベントに先立ち、NVIDIAは台北に新キャンパス「NVIDIA Constellation」を発表しました[1]。台北市北部の北投・士林テクノロジーパークに位置し、敷地は約4ヘクタール、およそ4,000人を収容する規模で、稼働後はアジア太平洋地域で最大級のAI研究開発拠点になるとしています[1]。発表の場には台北市の蔣萬安市長も出席し、Huang氏に市の鍵を贈りました[1]。
Huang氏は、現在のエージェント型AIがもたらす大きな成長機会に触れ、次の段階として製造業を変える物理AIを挙げました[1]。記者団に対しては、Vera Rubinについて「台湾の歴史の中でおそらく最大の製品立ち上げ」と表現し、1台のシステムが約200万点の部品で構成され、台湾の150社に及ぶエコシステムパートナーの協力で作られていると説明しています[1]。
まとめ
NVIDIAはCOMPUTEX 2026のベストチョイスアワードで、Vera Rubin NVL72、Jetson Thor、Alpamayoの3製品により4つの賞を獲得しました。データセンター向けの大型AIシステムだけでなく、ロボットや自動運転といった現場のAIまで評価された点が今回の特徴です。詳細は6月1日から始まるGTC Taipeiで明らかになる見通しで、Jensen Huang氏の基調講演に注目が集まります。
出典:https://blogs.nvidia.com/blog/nvidia-gtc-taipei-computex-2026-news/
