HUAWEIが8月20日、中国で開催したHarmonyOSのイベントで、折りたたまない横長画面のスマートフォン「HUAWEI Pura X View」を発表しました。画面比は16:9.5で、縦長が当たり前になった板状のスマートフォンとしては珍しい形です。予約受付は8月28日から始まりますが、価格はまだ公表されていません。
6.39型という数字はあてにならない
本機の画面は6.39型です。6.9型前後が並ぶ最近のフラッグシップと比べると、数字だけ見れば小さく見えます。ただしHUAWEIの説明では、画面の形が変わったときに対角線の長さで比べること自体があまり意味を持たなくなります。
実際、横に広がったぶん表示面積は114.27平方センチメートルに達し、消費者向け事業を統括する余承東氏は、これが6.9型クラスの多くの機種を上回ると説明しました。ベゼルは四辺とも1.05mm、画面占有率は96.1パーセントです。パネルは120Hz駆動で、2160HzのPWM調光に対応し、ピーク輝度は6,500ニトをうたっています。
横長がそのまま効いてくるのは、映画やスポーツ配信のように元から横向きで作られた映像です。縦持ちのまま横幅を確保できるので、表計算アプリの列や、電子書籍の見開き表示のような用途でも扱いやすくなります。
7,000mAhを6.68mmに収めた
もう1つの見どころは電池です。容量は7,000mAhありながら、本体の厚みは6.68mm、重さは201グラムに抑えられています。大容量電池を積むと分厚く重くなるという従来の前提を、横に広い筐体の内部スペースを使って崩しにかかった形です。
カラーはShadow Red、Linen Grey、Zero White、Phantom Blackの4色が用意されます。またHUAWEIの端末としては初めて、HarmonyOS 7.0の正式版を最初から搭載します。
一方で、プロセッサやカメラセンサーはこの時点で公式に明かされていません。中国メディアや情報提供者の間ではKirin 9030Sの搭載と、5,000万画素センサーを3つ束ねた背面カメラが取り沙汰されていますが、いずれも確定情報ではありません。この辺りは予約が始まる8月28日にはっきりするはずです。
ヒンジを外して残ったもの
Pura Xという名前は今回が初めてではありません。最初のPura Xは2025年3月に登場した縦折りのフォルダブルで、開くと16:10の横長画面になる端末でした。2026年4月にはその発想を本を開く形の大型フォルダブルへ広げた「Pura X Max」が出ています。
つまりPura X Viewは、17か月かけて広げてきた横長画面という考え方から、ヒンジと折り目、そして折りたたみ端末ならではの価格を取り除いた3番目の答えということになります。畳めない代わりに、薄さと電池容量、そして本体価格で有利になるはずだ、という読みです。
画面の形をめぐる各社の動き
横長の画面比を採る動きは、HUAWEIだけのものではなくなりつつあります。SAMSUNGはGalaxy Z Fold8でカバー画面を横に広げ、内側の画面を4:3に近づけました。従来の細長い形はGalaxy Z Fold8 Ultra側に残す構成です。Appleが2026年9月に投入するとみられる初のフォルダブルについても、開いた状態で7.76型のiPad寄りの画面比になるという見方が出ています。
大手3社が似た方向へ動いているとすると、縦長一辺倒だったこの10年ほどの流れは、いったん揺り戻しの局面に入ったと見ることもできます。
気になるのは中身の側です。ショート動画は9:16の縦向きを前提に作られてきました。横長の端末が広がれば、今度は配信側が対応を迫られる場面も出てきます。端末の形が先に変わり、コンテンツが後から追いかける展開になるのかどうかは、しばらく様子を見る必要がありそうです。
価格と、日本から手が届くか
価格は未発表です。参考までに、初代Pura Xは7,499元(約17万7,000円)、Pura X Maxは10,999元(約26万円)からでした。いずれも折りたたみ端末としての値付けです。ヒンジを省いたPura X Viewが通常のフラッグシップに近い価格帯に収まるなら、横長画面は一部の好事家向けの珍しい選択肢ではなくなります。
※1人民元=23.6円換算(2026年8月20日時点)
中国以外で買えるかどうかは、現時点では分かりません。ただ直近のPura 90s Pro Maxが中国発表の3か月後にクアラルンプールでグローバル版を発表しているので、その線をたどる可能性はあります。もっとも、中国国外向けのHUAWEI端末はGoogleのサービスが使えないという前提が付いて回るため、日本のユーザーにとってはそこが最初の関門になります。
まとめ
Pura X Viewは、フォルダブルで試した横長画面を、折りたためない普通のスマートフォンに持ち込んだ端末です。6.39型という控えめな数字の裏に、6.9型級を上回る表示面積と7,000mAhの電池が入っています。プロセッサやカメラ、そして価格は8月28日の予約開始で明らかになる見込みで、判断材料が揃うのはそこからです。
