Googleは、AIで作られたコンテンツかどうかを見分けるための仕組みを、検索・Gemini・Chrome・Pixel・Cloudの各サービスへ拡充すると発表しました[1]。電子透かし「SynthID」と、コンテンツの来歴を示す業界標準「C2PA Content Credentials」を軸に、画像や動画の出どころを誰でも確かめられるようにする取り組みです[1]。OpenAIやMetaといった業界各社との連携も深めるとしています[1]。
「SynthID」で1,000億点超のコンテンツに透かし
GoogleがSynthIDを発表したのは3年前のことです[1]。SynthIDは、AIが生成したコンテンツに人の目では気づけない信号を埋め込む電子透かし技術で、同社はこれを自社の生成AIモデルや製品に組み込んできました[1]。
これまでに透かしを付与した量は、画像と動画を合わせて1,000億点を超え、音声では6万年分に達するとしています[1]。生成AIによるコンテンツが急速に広がるなかで、その出どころを後から識別できる基盤を地道に積み上げてきた格好です[1]。
「これはAIで作られた?」と聞ける検証機能
Googleは最近、画像・動画・音声に対応したSynthIDの検証機能をGeminiアプリに追加しました[1]。この機能はすでに世界で5,000万回利用されており、今日から検索へ、さらに今後数週間のうちにChromeへと対象を広げるとしています[1]。
具体的には、検索の「Lens」「AIモード」「かこって検索(Circle to Search)」やChrome上のGeminiを使い、画像の出どころを調べられます[1]。「これはAIで作られたものですか」「これはAI生成ですか」と尋ねるだけで確認できる仕組みです[1]。
あわせて、C2PA Content Credentialsの検証にも対応します[1]。これにより、そのコンテンツがカメラで撮影された未編集のオリジナルなのか、あるいは何らかのツールで加工されたものなのかを手軽に確かめられるようになります[1]。Geminiアプリでは今日から提供が始まり、検索とChromeには今後数か月のうちに展開される予定です[1]。これは、AI生成コンテンツを識別するYouTubeのラベル表示や、検出ツールの精度向上を目指す「Backstory」の取り組みを土台にしたものだとしています[1]。
撮影時点で「本物」を記録するPixel
判別のもう一つの柱が、業界標準のC2PA Content Credentialsです[1]。これは、コンテンツがどのように作られ、編集されたのかを、AIの利用有無にかかわらず示すための仕組みです[1]。
Pixel 10は、標準のカメラアプリで画像にContent Credentialsを付与する初めてのスマートフォンでした[1]。Googleはこの機能を、今後数週間のうちにPixel 8・9・10での動画にも広げるとしています[1]。撮影の時点で記録を残すことで、その素材がカメラで捉えられたものであることを裏付ける狙いです[1]。同社は、生成AIの時代には、いつAIで作られたり編集されたりしたのかを知ることと同じくらい、本物で未編集のコンテンツを見分けられることが重要になると説明しています[1]。
業界連携とCloud向けの検出API
デジタルコンテンツは多くのプラットフォームを横断して流通するため、相互運用できるツールを業界全体で採用することが欠かせません[1]。Googleによると、OpenAIやKakao、ElevenLabsといった企業が、自社のAI生成コンテンツにSynthID技術を広げつつあるとのことです[1]。同社はこれまでにSynthIDのテキスト向け透かし技術をオープンソース化しており、NVIDIAとは、同社の「Cosmos」基盤モデルが生成する動画に透かしを付ける取り組みも進めています[1]。
法人向けには、Google CloudのGemini Enterprise Agent Platform上で新たに「AI Content Detection API」を提供します[1]。これは、Google製だけでなく他社の主要モデルが作ったAIコンテンツも見分けられるもので、フィードの整理や保険金詐欺の防止といった内部業務から、ファクトチェックや合成メディアのラベル付けといった利用者向けの用途まで想定しているとしています[1]。まずは信頼できるパートナーとともに提供を始め、フィードバックをもとに改良を続ける方針です[1]。
GoogleはC2PA運営委員会のメンバーとして、来歴を示す技術の世界標準づくりも後押ししています[1]。同じく運営委員会に名を連ねるMetaは、Instagramでカメラ撮影されたメディアにContent Credentialsのラベルを付け始めるといいます[1]。これにより、Pixelのカメラで撮影した本物の写真や動画は、Instagramで共有した際にもそれと認識され、ラベルが表示されるようになる見込みです[1]。
まとめ
GoogleはSynthIDとC2PA Content Credentialsを軸に、AI生成かどうかを確かめる機能を検索・Gemini・Chrome・Pixelへと一気に広げます。撮影時点で本物を記録するPixelの取り組みや、OpenAI・Metaなどとの業界連携も加わり、コンテンツの来歴を見極める環境が一段と整いつつあります。検索やChromeへの展開が進むにつれ、私たちが日常的に「これはAIか」を確認できる場面は増えていきそうです。
出典:https://blog.google/innovation-and-ai/products/identifying-ai-generated-media-online/
