Googleは、対話AI「Gemini」アプリの月間利用者数が9億5,000万人を超えたと明らかにしました。毎日使う利用者(デイリーアクティブユーザー)は1年前からおよそ3倍に増えており、月間10億人を突破したOpenAIの「ChatGPT」を猛追する勢いです。背景には、常時稼働する個人向けエージェント「Gemini Spark」や、朝の予定を整理する「Daily Brief」といった新機能の投入があります。Search、Gmail、Android、YouTubeなどに続き、Geminiも「10億人プロダクト」の仲間入りが視野に入ってきました。

月間9.5億人、日次利用者は1年でおよそ3倍

Googleは四半期の業績報告に合わせて、Geminiアプリの月間利用者数が9億5,000万人を超えたと公表しました。あわせて、毎日使う利用者が1年前と比べておよそ3倍に増えたとしています。月間利用者については2026年2月の時点で7億5,000万人を超えたと説明していましたから、そこから5か月ほどで2億人前後を積み増した計算です。生成AIアプリの中でも成長の速さが際立ちます。

Googleにとって月間利用者が10億人を超えるサービスは、Search、Gmail、ドライブ、Android、YouTube、Chromeとすでに数多く並びます。Geminiがこの水準に届けば、同社にとって新たな主力サービスがまた1つ加わることになります。

ChatGPTとの差は「あと5,000万人」

比較対象となるのが、先行するOpenAIの「ChatGPT」です。ChatGPTは2026年6月に月間利用者10億人に到達しており、9億5,000万人のGeminiとの差は5,000万人ほどにまで縮まりました。数字の上では、Geminiが10億人の大台に手が届く位置まで来ています。

市場全体の勢力図にも変化が見えます。分析会社Sensor Towerの「State of AI」レポートによると、2026年上半期にAIアシスタント市場でのChatGPTのシェアが初めて50パーセントを下回りました。一方でGeminiのシェアは27.7パーセントまで上昇しており、二強の差が徐々に縮まっている様子がうかがえます。

成長を支える新機能——SparkとDaily Brief

利用者の伸びを後押ししているのが、Geminiに次々と追加される新機能です。スンダー・ピチャイCEOは、朝のダイジェスト機能「Daily Brief」や、パーソナルなエージェント「Gemini Spark」を利用者が気に入っていると述べ、こうした機能を速いペースで投入していると強調しました。

「Gemini Spark」は、Google I/O 2026で発表された24時間稼働の個人向けエージェントです。クラウド上の専用環境で動くため、スマートフォンをロックしている間もバックグラウンドで作業を続けられるのが特徴で、現在は米国のほか各国でも利用できるようになっています。「Daily Brief」は、受信トレイやカレンダー、重要なタスクの情報をまとめ、一日の始まりに要点を整理して見せてくれる機能です。単なる情報の寄せ集めではなく、利用者の目的に沿って優先順位を付けてくれる点が売りとなっています。

iOSでも存在感、画像生成「Nano Banana」

Geminiは、Androidだけでなく、iOSでも着実に利用者を広げています。画像生成モデル「Nano Banana」のような話題を集める機能が、新規の利用者を呼び込む力になっています。アプリ分析のAppfiguresによれば、Geminiアプリは直近1年でiOS向けに1億3,700万回以上ダウンロードされたとされ、iPhoneユーザーの間でも一定の存在感を築きつつあります。

検索の「AIモード」も月間10億人に

AIアシスタントを検索の代わりに使う人が増える中でも、Googleは本業の検索が好調だとしています。同社によると、質問に答える形式の「AIモード」は、今四半期に月間利用者が10億人を突破しました。検索の利用そのものも「わずかながら増えている」とし、AIによる刷新が検索離れを招くどころか、むしろ質問の回数を押し上げていると説明します。あわせて、ハードウェアの工夫によってAIモードにかかるコストを下げられたともしており、新しいモデルや機能を投入しながらも収益性を保とうとする姿勢が見えます。

まとめ

Googleは、Geminiアプリの月間利用者が9億5,000万人を超え、毎日使う利用者は1年でおよそ3倍に伸びたと公表しました。月間10億人のChatGPTとの差は5,000万人ほどに縮まり、市場シェアでも二強の差が詰まりつつあります。成長を支えているのは、常時稼働のエージェント「Gemini Spark」や朝のダイジェスト「Daily Brief」、画像生成「Nano Banana」といった新機能です。検索の「AIモード」も月間10億人を超えており、GoogleがAIを軸にした利用者拡大で着実に成果を上げていることを示す内容と言えそうです。

出典

[1] https://blog.google/company-news/inside-google/message-ceo/alphabet-earnings-q2-2026/
[2] https://techcrunch.com/2026/07/23/google-closes-in-on-another-billion-user-product-with-gemini/