Googleは7月31日、Geminiアプリの月次更新まとめ「Gemini Drops」の7月版を公開しました[1]。目を引くのは、毎回写真をアップロードせずに自分の姿を画像へ差し込めるアバター機能と、Dropbox・Zillow Rentals・Viatorという外部サービスをGeminiにつなぐ接続アプリの追加です。米国では、パーソナライズ画像生成が対象となる全利用者へ開放されました。
毎回の写真アップロードが不要になるアバター
新しく加わったのは、自分のアバターを任意の画像に追加する機能です。Googleの説明では、自分に似た見た目のコンテンツを作る際に、毎回自分の写真をアップロードする必要がなくなります[1]。
これまでのGeminiで自分が写った画像を作ろうとすると、素材となる写真を都度用意して読み込ませる手間がありました。アバターとして一度登録しておけば、その工程が省ける形です。SNS用の画像やちょっとした挨拶カードのように、同じ被写体で何枚も作る用途では効きそうな変更です。
接続アプリにDropbox・Zillow Rentals・Viatorが加わる
Geminiには、外部サービスを利用者の許可のもとで呼び出す接続アプリ(Connected Apps)という仕組みがあります。7月のDropでは、ここにDropbox、Zillow Rentals、Viatorの3つが並びました。お気に入りのアプリをGeminiにつないでおけば、1つの指示で複数の手順をまとめて進められるという位置づけです[1]。
なかでも具体像がはっきりしているのがZillow Rentalsです。米国の不動産情報サービスZillowは7月9日、Zillow RentalsがGeminiおよびGemini Sparkの接続アプリとして稼働を始めたと発表しました。Gemini側の接続アプリのなかで、不動産分野はZillowが唯一だとしています[2]。
使い方は会話から始まります。たとえば「シアトルでペット可の1ベッドルーム、Zillowで内見できる物件を探して」と頼むと、条件に合う物件と予約可能な時間帯がGeminiの画面に出てきます。そこから1クリックでZillowへ移り、時間を選んで確定させる流れです[2]。物件の設定によって表示は変わり、即時内見に対応した物件には「Book a Tour」、それ以外には「Request a Tour」が出ます。GoogleアカウントとZillowアカウントを一度つないでおけば、確定した内見予約はZillow側の予定表に入ります[2]。提供はGeminiとGemini Sparkの利用者へ数週間かけて広がるとしています[2]。
会話はGeminiが受け持ち、そのあとの実務はZillowが受け持つ、という役割分担です。Zillow Rentals担当のシニアバイスプレジデントであるMichael Sherman氏は、借り手が探し始める入口は人によって違うため、実際に次の一歩を踏み出す場面にZillowが居合わせることが重要だと述べています[2]。同社は2025年10月にChatGPTへ、その5カ月後には自社サイトへ会話型検索を載せており、今回のGemini対応はその延長線上にあります[2]。
Dropboxはファイルとフォルダーの検索・要約・共有・整理をGeminiから扱えるようにするもの、Viatorはツアーやアクティビティの予約を扱うものです。いずれも既定で有効になるわけではなく、接続アプリという仕組み上、利用者が自分でつなぐ操作をして初めて動きます。
パーソナライズ画像生成が米国の全利用者へ
7月のDropには、利用者の好みを踏まえた画像生成を米国の全利用者へ開放したことも挙がっています[1]。
この機能は、Geminiの画像モデルNano Bananaと、利用者の文脈を扱うPersonal Intelligenceを組み合わせたものです。Googleアカウントに紐づくGmail、Google フォト、YouTube、検索履歴といったデータからGeminiが好みを推し量るため、プロンプトで細かく指定しなくても内容が反映されます[3]。「私と好きなもの、たとえばコーヒーとお菓子作りのイラストを作って」と書く必要がなく、「私と好きなもののイラストを作って」だけで済むという例が示されています[3]。Google フォトから本人の写真を引いてくることもできます[3]。
もともとは有料のPlus・Pro・Ultra契約者に限られていた機能で、6月29日に米国の対象利用者すべてへ無料開放されました[3]。Personal Intelligenceはオプトイン方式で、どのアプリへのアクセスを許すかは利用者が選べます。有効にすると全プロンプトで既定になりますが、ツールメニューのトグルで切ることもできます[3]。生成の質が上がる代わりに、参照される個人データの範囲が広いという性質は押さえておきたいところです。
Spark、macOSの音声操作、Flash系モデルも同じDropに
7月のDropには、すでに個別に発表されていた項目も並んでいます。1つはGemini Sparkの提供地域拡大で、Googleはラップトップを閉じたあとも24時間動き続けるエージェントが世界で使えるようになったとしています[1]。
ただし、この「世界で使える」には条件が付いてきた経緯があります。7月24日の段階では、Google AI Proの契約者は米国のみ、Google AI Ultraの契約者は各地の言語に対応した形で全世界という組み立てで、欧州経済領域(EEA)、英国、スイス、ナイジェリアは対象外とされていました[4]。Sparkはプランと地域を段階的に開いてきた機能なので、自分の契約と居住地で使えるかどうかは実際に確認したほうが確実です。
残る2つは、macOS版Geminiの音声操作と、Flash系モデルの更新です。前者はアクティブなウィンドウに向かって話しかけるだけで、文章の書き起こし、選択範囲の書き換え、カーソル位置への画像生成までを扱えるようにするものです[1]。後者はGemini 3.6 FlashとGemini 3.5 Flash-Liteで、推論の質と速度が上がっています[1]。
まとめ
7月のGemini Dropは、モデルの刷新より「毎回の手間を1つ減らす」方向の更新が目立つ内容でした。アバターは写真アップロードの省略、接続アプリは複数サイトを行き来する手間の省略にあたります。一方で、パーソナライズ画像生成やZillow連携はいずれも米国が先で、日本から全部を試せる状態ではありません。Googleが月次のDropで細かく積み上げてくる形は続いているので、次の更新で日本にどこまで降りてくるかが見どころです。
出典[1] https://blog.google/products-and-platforms/products/gemini/gemini-drop-july-2026/
出典[2] https://www.zillow.com/news/google-gemini-now-connects-renters-to-zillow-tour-booking/
出典[4] https://www.androidauthority.com/google-gemini-spark-wider-rollout-3690952/
