【リフロー】ESP32-CAM を技適対応に改造して使ってみたよ
Arduino といえば小型のマイコンボードとして有名ですが、同じように扱えるボードとして「ESP32」シリーズがあります。
モジュールは秋月電子などで販売されており、一個あたり数百円で販売されています。
Arduino IDEを使った通信・プログラムの書き込みも出来るため、比較的扱いやすく、面白い製品です。
また、4Gモジュール・液晶パネルなどと一体型になったタイプや、カメラを扱いやすくした「ESP32-CAM」という製品もあります。
ESP32-CAMは、カメラとmicroSDカードスロットも付いて、サンプルコードも存在しており簡単にWebカメラもどきを作ることが出来るボードになっています。
こちらも安価でAliexpressでは数百円もあれば購入することができます。
2023/09/24 追記 : 現在では、より新しいESP32-S3を搭載した小型サイズの「XIAO ESP32S3 Sense」(秋月電子通商 通販コード:M-18079)、または技適のあるESP32-WROOMを搭載したもの(AliExpress)が発売されていますので、こちらをぜひご利用ください。
ESP32-CAMに載っているのはESPシリーズの1つ「ESP32-S」。
同型番のモジュールは、日本国内ではAi-Tinkerが工事設計認証を取得しており、技適検索サイトでも確認することが出来ます。
https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=jk01&FOM=ESP32&RAD=00-00-00-00&TEC=1&TEC=2&TEC=3&TEC=4&TEC=5&TEC=6&TEC=7&SK=0&DC=0&SC=21#searchlist
ただし、今回購入したモジュールには、製品に技適の表示がありません。
数百円程度で購入できる面白いガジェットなのですが、残念なことに日本国内で電源を入れる(電波を飛ばす)ことが出来ません。
FCC IDとCE マークがあるため、総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用すれば国内でも条件付きで使用できますが、開設届・廃止届など申請が必要な上、あくまでも実験という都合上、最長で180日間までという期限があります。
ESPシリーズで、技適の表示がされているのはESP32-WROOM-32E、32D、02などの一部のモデルのみです。
国内でも使えるタイプのものが載っていれば、それを買うという手もあるのですが、調べた限り数百円で購入可能なものは技適の表示がないものだけでした。
ESP32-CAM自体はかなり面白いと思うので、なんとかして国内で使うことにしました。
技適がないならあるやつに変えてしまおう
なんのことはありません。
技適がなければある物に交換してしまえば良いのです。
ESP-32E、ESP-32Uなどの技適付きモデルと「ESP32-S」は、ピン数とピンアサインは同じなので、物理的にそのまま付け替えることが可能です。
ただし、モジュールは基盤にハンダ付けされているため、交換にはヒートガン、カプトンテープ、そして気合が必要となります。
カプトンテープは熱伝導率が高いので、なるべく部品にくっつけないように貼り付けます。
後で剥がすとき、「部品も一緒に外れた」なんてことになってしまいます。
元々載っていた ESP32-S は早々にヒートガンで剥がしてしまいます。
リフローにはホットプレートや、アイロンを使った方法なんていうのもあり、こちらのほうが楽なのですが、このボードは両面実装なので、ヒートガンしか使えません。
ちなみに安物のヒートガンを使うのはおすすめしません。
筆者が初めて買った数千円の安物は、風量があまりに強すぎて、小さいチップ部品が吹っ飛んで行ってしまって使い物になりませんでした。
後で付け直すのが難しい・・のはまだ良い方で、飛んでいった部品が見つからないということになるので、しっかりした製品がおすすめです。例えば、マキタのヒートガンなど。
そしてESP-32Eにリフローした完成品がこれです。
よく見るとハンダ部分が少し汚いですが、ちゃんと動作します。
技適マークが印籠のごとく輝いています。
PCと接続後、Arduino IDE から正しく認識されていればOKです。
こうなれば心置きなく使用できます。
申請も期限も気にする必要はありません。
ちなみにこのESP-32Eは安心の秋月電子様から購入したもの。
アンテナが付けられる ESP-32U もおすすめ
当方の環境では、ESP-32E だとWebカメラとして使うには十分な安定性(fps)が出ず、アンテナを取り付け可能な「ESP-32U」版も作成してみました。
こちらは貧相なアンテナ※が付いただけですが、それでもPCBパターンアンテナの32Eよりは安定して映像を送信することが出来ました。
Wi-Fiからすこし距離のある方はこちらもおすすめです。
※使用するアンテナにも指定があり、それ以外のものを使用してしまうと技適上NGなのでご注意を。
参考リンク: 2.4GHzワイヤーアンテナ Wi-Fiモジュール(外付アンテナタイプ)WROOM用
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-14328/
おまけ
リフローが難しいことは以前より知っていたので、沢山買っておいて正解でした。