Microsoft Azure上の開発基盤「Microsoft Foundry」で、Anthropicの「Claude」モデルが一般提供(GA)になりました。実行基盤にはNVIDIAの最新GPU「GB300 Blackwell Ultra」が使われており、Azureを使う企業が自律的に動くAIエージェントや、自社業務に特化したエージェントを構築・運用しやすくなります[1]。2025年11月に発表されたMicrosoft・NVIDIA・Anthropicの3社提携を土台にした動きです。
Microsoft FoundryでClaudeが一般提供に
今回のポイントは、Azure上で動く開発基盤Microsoft FoundryからClaudeを正式に利用できるようになったことです。これまでもプレビュー的な形でAnthropicのモデルにアクセスする道はありましたが、一般提供になったことで、Azureを主軸にシステムを組む企業が本番環境でClaudeを組み込みやすくなります[1]。
NVIDIAは今回の提供を、自律的に動くエージェントや、業務領域ごとに役割を分けた専門エージェントを構築・実行するための新しい選択肢だと位置づけています。エージェント型のAIが企業の業務に踏み込むほど、推論を高速かつ効率的にこなせる計算基盤が重要になり、それが総所有コスト(TCO)の抑制にもつながるという考え方です[1]。
基盤となるNVIDIA GB300 Blackwell Ultra
Claudeの実行を支えるのは、NVIDIAの「GB300 NVL72」システムです。GB300 Blackwell Ultraは、AIの学習や推論に特化したNVIDIAの最新世代のアクセラレーターで、複数のGPUを高速に束ねて1つの巨大な計算資源として扱えるのが特徴です[1]。
システム内のGPU同士は「NVIDIA Quantum-X800 InfiniBand」と呼ばれる高速ネットワークで接続されています。大規模なモデルを動かす際は、GPU間でやり取りするデータ量が膨大になるため、この内部ネットワークの速さが処理全体の効率を左右します。今回のGB300基盤上での稼働は、AnthropicがNVIDIA製ハードウェアへ本格展開する初の事例とされています[1]。
企業のエージェント運用を支える仕組み
NVIDIAはAnthropicとClaudeの中身(スタック)にNVIDIA側のツールを組み込む形でも協業を進めています。これにより、企業はClaudeを使ったエージェントに業務領域ごとの専門的な能力を持たせやすくなります。NVIDIAが検証した「エージェント向けスキル」を通じて、AIエージェントを社内業務に深く組み込み、組織全体を動かす基盤として使う構想が示されています[1]。
運用面では「NVIDIA Secure Agent Workspace Reference Design」という設計指針も用意されました。これは、自律的に動くエージェントを管理された環境で動かすための青写真で、ID(本人確認)、ネットワークへのアクセス権、認証情報、実行時のポリシーといった要素をインフラのレベルで制御できるようにするものです。エージェントが勝手に動きすぎないよう、安全に運用するための土台と言えます[1]。
11月の3社提携が土台に
今回の一般提供は、2025年11月にMicrosoft・NVIDIA・Anthropicの3社が発表した戦略的提携の延長線上にあります。この提携でAnthropicは、Azureの計算資源を300億ドル(約4兆8,000億円)ぶん購入することを表明し、さらに最大1ギガワット規模の計算能力を追加で確保する方針を示しました[2]。
資本面では、NVIDIAが最大100億ドル(約1兆6,000億円)、Microsoftが最大50億ドル(約8,000億円)をAnthropicへ出資する計画も明らかになっています。あわせてClaudeは、世界の主要なクラウド3社すべてで利用できる唯一のフロンティアモデルになるとされ、Microsoft FoundryからはClaude Sonnet 4.5やClaude Opus 4.1、Claude Haiku 4.5といった主力モデルにアクセスできると案内されていました[2][3]。※1ドル=161円換算(2026年6月26日時点)
まとめ
Microsoft FoundryでのClaude一般提供は、最新のNVIDIA GB300 Blackwell Ultraという強力な基盤の上で実現しました。高速な内部ネットワークを備えたGB300 NVL72に加え、検証済みのエージェント向けスキルや安全に運用するための設計指針がそろい、Azure中心の企業がClaudeを業務エージェントとして組み込みやすい環境が整いつつあります。2025年11月の3社提携で示された巨額の計算資源と出資が、こうした具体的な提供という形で動き始めたことを示す節目と言えそうです。
出典:https://blogs.nvidia.com/blog/anthropic-nvidia-gb300-blackwell-ultra-microsoft-azure/
出典:https://www.anthropic.com/news/microsoft-nvidia-anthropic-announce-strategic-partnerships
