Anthropicの最上位AIモデル「Claude Fable 5」の提供条件が、2026年7月20日から切り替わりました。MaxプランとTeamプランのプレミアムシートでは週次上限の50パーセントまで追加料金なしで使えるようになった一方、ProプランとTeamの標準シートは上限内での利用対象から外れ、従量課金のユーティリティクレジットへ移りました。移行の緩衝材として、対象ユーザーには100ドル分のクレジットが1回だけ配られます。

6月から続いた暫定措置が7月19日で終了

Fable 5は6月上旬に公開されたモデルで、Anthropicは社内モデルMythosを一般提供向けに整えたものと位置付けています。ソフトウェア開発、知識労働、視覚処理、科学研究といった領域で、テスト済みのベンチマークのほぼ全てにおいて同社の他モデルを上回るとされ、タスクが長く複雑になるほど差が広がるという説明がされていました。

ただし提供状況は安定しませんでした。米国政府が外国籍ユーザーへのアクセス制限を国家安全保障上の理由で命じたことを受け、Fable 5とMythos 5はいったん全ユーザー向けに停止されます。再展開されたのは3週間後の7月1日で、そこからは有料プランの週次上限の最大50パーセントまで使える暫定措置が敷かれていました。この措置が7月19日午後11時59分59秒(米太平洋時間)で終了し、翌20日から新しい条件に切り替わったという流れです。

プランごとに変わる扱い

7月20日以降の扱いは、契約しているプランの種類とシートの区分で分かれます。

Maxプラン、Teamプランのプレミアムシート、シート課金型Enterpriseプランのプレミアムシートでは、Fable 5がプランの標準機能として組み込まれます。週次の利用上限のうち50パーセントまでを、追加料金なしでFable 5に充てられる形です。ここで注意したいのは、上限が50パーセント上乗せされるわけではないという点です。Fable 5の消費はあくまで既存の週次上限から差し引かれ、しかも他モデルより上限の減りが速いとAnthropicは明記しています。50パーセント分を使い切った後は、ユーティリティクレジットを購入して継続するか、別のモデルに切り替えて上限内に収めるかを選ぶことになります。

一方、ProプランとTeamの標準シートでは、Fable 5はプランの利用上限の対象外になりました。使うにはユーティリティクレジットによる従量課金が必要です。対象となるProおよびTeam標準シートには、切り替えの負担を和らげる目的で100ドル(約1万6,000円)分のクレジットが1回だけ付与されます。シート課金型Enterpriseの標準シートも上限の対象外ですが、こちらは組織側がクレジットを有効化している場合に限り利用でき、100ドルの付与対象にはなりません。従量課金型EnterpriseとClaude API経由の利用は、従来通り標準のAPI料金での課金です。

※1ドル162円換算

使える場所とバージョン要件

Fable 5を選べるのは有料プランのみで、無料プランには表示されません。対応する入り口はWeb版のClaude、Claudeモバイルアプリ、Claudeデスクトップアプリ、Claude Cowork、Claude Code、Claude Design、Claude for Microsoft 365、Claude Tagです。Web版とデスクトップ版、モバイル版ではモデルピッカーからFable 5を選ぶ形になります。

バージョンの縛りもあります。Claude Codeで使う場合はバージョン2.1.170以降が必要で、Claude Coworkで使う場合はデスクトップアプリを最新版にしておく必要があります。モデルの選択肢に出てこないときは、有料プランかどうか、クライアントのバージョンが足りているか、組織側でFable 5が有効になっているかを順に確かめるのが早道です。

需要が読めなかったという説明

Anthropicは今回の変更について、Fableの需要を予測することが難しく、そのために段階的な展開を取らざるを得なかったと説明しています。容量を確保できるたびにアクセスを延長してきた経緯にも触れ、この進め方が利用者にとって不満の残るものだったことを認めたうえで、プランに何が含まれるのかをはっきりさせたかったと述べています。Fableを最も集中的に使うプランに対して、上限の50パーセントという条件を標準化したというのが同社の言い分です。

もっとも、実際の使い勝手は数字だけでは測れません。海外のAI系メディアからは、同じ7月20日にClaude Codeの週次上限に適用されていた増量措置も終わっており、基準となる上限自体が3割ほど縮んだ状態で50パーセントの枠が計算されるという指摘が出ています。背景として、性能が近く価格の低い競合モデルが相次いで登場し、最上位モデルの価格設定に圧力がかかっている状況も挙げられています。

まとめ

7月20日を境に、Claude Fable 5はMaxとTeam Premiumの標準装備になり、Proと標準シートでは従量課金の対象になりました。上位プランは週次上限の50パーセントまでを追加費用なしで回せる一方、上限そのものは増えず消費も速いため、体感がどう変わるかは使い方次第です。ProからMaxへ上げるか、100ドルのクレジットを使い切った後にクレジットを買い足すか、あるいは通常のモデルで足りるのかを、自分の週あたりの利用量と照らして見直しておくとよさそうです。