OpenAIが2026年8月11日、ChatGPTデスクトップアプリのLinux版をプレビュー公開しました。ChatGPT本体に加えて、業務向けのChatGPT Workと開発者向けのCodexが1つのアプリから使えます。これでWindows、macOS、Linuxという主要なデスクトップ環境が出そろったことになります。

対応ディストリビューションは3系統

OpenAIが対応先として挙げているのは、Ubuntu 24.04 LTSとUbuntu 26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43とFedora 44です。いずれもデスクトップ版が対象で、サーバー版は想定されていません。

配布されるパッケージは4種類あります。Ubuntu・Debian向けの.debがx64版とarm64版、Fedora向けの.rpmが同じくx64版とarm64版という内訳で、ArmベースのマシンでもIntel・AMD機と同じように導入できます。

自分の環境がどちらにあたるかは、ターミナルで次のコマンドを実行すれば分かります。

uname -m

出力がx86_64ならx64版、aarch64またはarm64ならARM64版を選びます。

Chat・Work・Codexが1つの窓口に

アプリを起動すると、ChatGPT側とCodex側を切り替えて使えます。ChatGPT側はさらに、会話中心のChatと、調査や成果物づくりを任せるWorkに分かれる構成です。

Codexを選ぶとローカルフォルダーやプロジェクトを開けるようになり、リポジトリやターミナルを扱いながらコードの作成、デバッグ、テスト、差分のレビューまで進められます。複数のエージェントを並列で走らせることもでき、その際はGitのworktreeを使って同じリポジトリ内の作業を分離する仕組みです。スキルやオートメーションもLinux版から利用できます。

なお、CodexそのものはこれがLinux初対応というわけではありません。以前からCodex CLIがLinuxで動いており、今回はそれをGUIから扱えるようになったという位置づけです。

機能面では、ネイティブアプリのComputer Useを除いて他のデスクトップ版と同等とされています。Computer Useは今後の対応予定ですが、現時点でもエージェントはアプリ内蔵のブラウザとChromeを操作できます。OpenAIのJames Sun氏は、早期公開のため荒削りな部分が残るとも説明しています。

更新はパッケージマネージャーに任せられる

ダウンロードしたパッケージは、ディストリビューションごとに次のコマンドでインストールします。

# Ubuntu / Debian(ARM64ではchatgpt_arm64.debに置き換える)
sudo apt install ./chatgpt_amd64.deb

# Fedora(ARM64ではchatgpt.aarch64.rpmに置き換える)
sudo dnf install ./chatgpt.x86_64.rpm

インストールが終わると、アプリケーションメニューから起動するか、ターミナルでchatgptと打てば立ち上がります。ChatGPTアカウントでログインしてCodexを選べば、そのままローカルの作業に入れます。

ここで地味に効いてくるのが更新まわりです。インストール時にOpenAIの署名付きパッケージリポジトリが設定されるため、以後はパッケージマネージャーからそのまま更新できます。ChatGPTだけを明示的に更新したい場合は次のようにします。

# Ubuntu / Debian
sudo apt update
sudo apt install --only-upgrade chatgpt

# Fedora
sudo dnf upgrade --refresh chatgpt

アプリ内の独自アップデーターに頼らず、普段のシステム更新と同じ流れに乗せられるのは、Linuxを常用しているユーザーにとって扱いやすい設計です。

Waylandまわりはまだ実験段階

表示環境については注意点があります。Linux版はWaylandセッションでも、XWaylandが使える環境ではその上で動作します。一方、ネイティブWaylandでの動作は実験段階という扱いです。

あえてネイティブWaylandで起動したい場合は、アプリを完全に終了してから次のコマンドを実行します。通常の使い方であればこの指定は必要ありません。

chatgpt --ozone-platform=wayland

ただしこの状態では、フローティングウィンドウ、ウィンドウの配置やフォーカス、キーボードショートカットなどが完全には機能しない可能性があると案内されています。常用するなら、当面はXWayland経由の既定動作に任せておくのが無難です。

まとめ

OpenAIがChatGPTデスクトップアプリのLinux版をプレビュー公開し、Ubuntu 24.04・26.04 LTS、Debian 13、Fedora 43・44で利用できるようになりました。x64とARM64の両方にパッケージが用意され、更新は署名付きリポジトリ経由でパッケージマネージャーに任せられます。CodexをGUIから扱えるようになった点が開発者にとっての目玉ですが、Computer Useは未対応、ネイティブWaylandは実験段階と、プレビューらしい未完成な部分も残っています。