E Ink端末を手がけるOnyxが、3.97型の超小型電子書籍リーダー「BOOX Picco」のティザーを公開しました。同社のこれまでの最小モデルはスマートフォンとほぼ同じ大きさでしたが、Piccoはそれよりさらに一回り小さく、新設のカテゴリー「BOOX Tile」の第1弾に位置づけられています。仕様の大半はまだ伏せられたままです。
スマートフォンより明確に小さい3.97型
現時点でOnyxが明らかにしているのは、3.97型のモノクロE Inkパネル、フロントライト、microSDカードスロットの3点と、手に取りやすい価格帯を狙うという方針だけです。解像度や画素密度、搭載チップ、メモリー、OSといった中身に関する情報は一切出ていません。
サイズ感を押さえておくと、Onyxがこれまで小型機として展開してきたPalma 2シリーズは6.13型で、824×1648ピクセル、300ppiの縦長パネルを積んでいます。上位のPalma 2 Proは米国のAmazonで399ドル(約6万3000円)という値付けで、ポケットに入るとはいえ占有面積はスマートフォンとほぼ変わりません。Piccoの3.97型は、現行の小型スマートフォンと比べても明確に小さい部類に入ります。
公開されたティザー画像からは、白い本体に平坦なベゼル、ディスプレイ下側だけがやや広いという、素っ気ないほど簡素な外観が見て取れます。フロントライトを備えるため暗所でも読めますが、モノクロ表示のみでカラー化はされていません。書籍データはmicroSDカードに入れて持ち歩く想定です。
「BOOX Tile」は形の縛りを外すための箱
今回のティザーでもう1つ目を引くのが、BOOX Tileという新しい製品カテゴリーです。Onyxはこれを、従来の電子書籍リーダーや手書きノート端末(eNote)の枠を越えて、多様な形状のePaper端末を並べていく区分だと説明しています。Piccoはその第1号にあたります。
裏を返せば、Onyxは今後のE Ink端末を「本を読むための板」という形から解き放とうとしている、ということになります。読書端末とノート端末という2本柱で組み立ててきた製品ラインに、サイズも用途も自由な3つ目の受け皿を用意した格好です。Piccoが小さすぎて既存のどちらにも収まらなかったから新カテゴリーを作った、という順序かもしれませんが、いずれにせよTileという名前が付いた以上、後続機が控えていると考えるのが自然です。
狙いはXteinkが開拓した低価格帯
Piccoが向き合う相手ははっきりしています。ここ1年ほどで存在感を増しているXteinkの一連のポケットサイズ機です。直近のX4 Proは4.3型で99ドル(約1万6000円)と、Palma 2 Proの4分の1ほどの価格に収まっています。機能面でOnyx製品に及ばないとされる一方、価格と携帯性で支持を集め、有志が作ったカスタムファームウェアを導入して使い込む利用者も現れています。
つまりOnyxは、自社が手を出してこなかった価格帯に、ブランド力と長年のE Inkチューニングを持ち込もうとしているわけです。Piccoの3.97型はX4 Proの4.3型よりさらに小さく、サイズでも真正面からぶつけてきています。手に取りやすい価格帯という言い方が具体的にいくらを指すのかは示されていませんが、Palma 2 Proと同じ水準では戦えない相手であることは同社も分かっているはずです。
※1米ドル=159円換算(2026年7月31日時点)
まとめ
BOOX Piccoは、3.97型モノクロE Inkとフロントライト、microSDスロットという最小限の情報だけが先に出た状態です。解像度も価格も発売時期も未定ですが、ティザー画像が出ている以上、正式発表はそう遠くないとみられます。Onyxが新カテゴリーBOOX Tileを立ち上げてまで小型機に踏み込んだことは、E Ink端末が読書専用機という枠から外へ広がりつつある流れを示しているように見えます。続報を待ちたいところです。
