Adobeは、画像編集ソフトのAdobe Photoshop、デザインツールのAdobe Express、PDF編集のAdobe Acrobatを、対話型AIのChatGPT上で直接利用できるようにしたと発表しました[1]。専門的な操作を覚えなくても、やりたいことを自分の言葉で伝えるだけで、写真の編集やデザイン制作、文書の整理が行えます。週間利用者数8億人とされるChatGPTに、Adobeの人気アプリが組み込まれる形になります[1]。
ChatGPTでAdobeの3つのアプリが使えるように
今回ChatGPTに提供されるのは、Adobe Photoshop、Adobe Express、Adobe Acrobatの3つです[1]。いずれもAdobeのクリエイティブおよび生産性向上の分野で広く使われているアプリで、これまではAdobe独自のサービス上で操作するのが基本でした。
使い方はシンプルです。ChatGPTのチャット欄にアプリ名を入れて指示を書くだけで、ChatGPTが自動的に対応するアプリを呼び出し、文脈を理解して作業を実行します[1]。例えば写真の背景をぼかしたい場合は、「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかすのを手伝ってください」と入力すれば、Photoshopの機能が動き出します[1]。チャットの中で対話的に編集を進められるほか、明るさやコントラストの調整では、Photoshopのスライダーのような直感的なツールも使えます[1]。
Adobeのデジタルメディア事業部門代表のデイビッド ワドワーニ氏は、Adobeのクリエイティブ技術とChatGPTの使いやすさを組み合わせることで、日常的に使われているプラットフォーム上で何百万人もの人が自分の言葉だけでPhotoshopの編集を行えるようになる、と説明しています[1]。アプリの操作経験がない人でも、業界標準のツールに触れられる点が今回の狙いと言えるでしょう。
3つのアプリでできること
ChatGPT向けのAdobeアプリで具体的に何ができるのか、アプリごとに整理します[1][2]。
Adobe Photoshopでは、画像内の特定のオブジェクトを編集したり、明るさ・コントラスト・露出といった設定を調整したりできます[1]。グリッチやグローといったクリエイティブな効果を加えることも可能で、こうした加工を元画像の品質を保ったまま適用できる点が特徴です[1]。
Adobe Expressは、デザインの作成とカスタマイズを担当します[1]。プロがデザインした豊富なテンプレートから目的に合うものを選び、テキストや画像を差し替えたり、デザインをアニメーション化したりする作業が、すべてチャット内で完結します[1]。イベントの招待状づくりなど、日常的なデザイン作業を想定した使い方ができます。
Adobe Acrobatは、PDFを中心とした文書の変換と整理に対応します[1]。チャット内でPDFを直接編集したり、テキストや表を抽出したり、複数のファイルを1つに統合したりできるほか、ファイルを圧縮してPDFに変換することも可能です[1]。フォーマットや品質を保ったまま処理できるため、業務での実用性も期待できます。
Adobeは、より高度な精度や機能を求めるユーザーについては、ChatGPTからAdobe本来のアプリへシームレスに移行し、そのまま作業を継続できる導線も用意しているとしています[1]。
価格と提供範囲
ChatGPT向けのAdobe Photoshop、Adobe Express、Adobe Acrobatは、無料で利用できます[1]。米国時間2025年12月10日に提供が始まり、ChatGPTのデスクトップ版、ウェブ版、iOS版で全世界のユーザーが使えます[1][3]。
Android版については、Adobe Expressがすでに利用可能となっている一方、PhotoshopとAcrobatのAndroid版は近日提供開始予定とされています[1]。スマートフォン環境でも段階的に対応が広がっていく見通しです。
Adobeが進めるエージェント型AIの取り組み
今回の提供開始は、Adobeが進めてきたエージェント型AIへの取り組みの延長線上にあります[1]。エージェント型AIとは、利用者の指示を受けて自律的に複数の作業をこなすAIを指します。今回のChatGPT連携も、ユーザーの言葉を受け取って適切なアプリと機能を選び出す仕組みが土台になっています。
Adobeは2025年に、PDFを対話的に扱えるワークスペース「Adobe Acrobat Studio」を発表したほか、クリエイター向けイベントのAdobe MAXでは、Adobe PhotoshopとAdobe Express向けのAIアシスタントを公開しました[1]。複数のアプリをまたいで作業を支援するAdobe Firefly向けAIアシスタントのプレビューも示しており、対話を起点としたクリエイティブ環境の整備を継続的に進めています[1]。海外メディアのTechCrunchも、今回の連携をAdobeがChatGPTという巨大な利用者基盤に自社ツールを届ける動きとして取り上げています[3]。
専門ソフトの操作を学ぶハードルが下がることで、これまでAdobeのアプリを使ってこなかった層にも編集やデザインの選択肢が広がりそうです。一方で、本格的な制作にはAdobe独自のアプリが引き続き必要になる場面も多く、ChatGPT連携は入り口としての役割が中心になると考えられます。
まとめ
AdobeはAdobe Photoshop、Adobe Express、Adobe AcrobatをChatGPT上で無料提供し、対話するだけで写真編集やデザイン、PDF処理が行えるようにしました。週間8億人規模のChatGPT利用者がAdobeの主要ツールに触れられるようになり、専門的な操作を知らなくてもクリエイティブ作業に踏み出しやすくなります。今後はAndroid版の対応拡大など、利用環境のさらなる広がりが注目されます。
出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000535.000041087.html
出典:https://news.adobe.com/news/2025/12/adobe-photoshop-express-acrobat-chatgpt
出典:https://techcrunch.com/2025/12/10/adobe-brings-photoshop-express-and-acrobat-features-to-chatgpt/
