Apple M1搭載Macを買うのはまだ早い?買ってみて分かった注意点
ついに筆者の家にも M1 搭載の Macbook Air が来てくれました。
メモリを16GB にカスタムしたため、届くのに2週間近くかかってしまいましたが噂どおり、前モデルと比較するとかなりスムーズに動作します。バッテリーの持ちも化け物レベルです。
まだネイティブに対応していないアプリが多く、Rosetta2 を使用して起動するアプリが大半という状態ですが、 Adobe Illustrator も Photoshop も問題なく仕事で使えているので、そこまで問題ではありません。
しかし、ちょっと気になった部分もあるのでご紹介します。
Apple M1 と Intel 製 CPUの違いは?
Apple Silicon を搭載した Mac は、それまでの Intel製CPUを搭載する Mac とはアーキテクチャが異なります。
M1 は「ARM」、Intel は「x86」です。
ARM は iPhone や Android スマートフォンに使われているアーキテクチャと同じもので、ざっくり言えば省電力、低発熱なのに高性能というメリットがあります。
x86 は古くから Windows PC、そして Mac でも使用されてきたアーキテクチャです。現在、ほぼ全ての家庭用ノートパソコンやデスクトップは、この x86 で動作しています。PCの分野では広く普及しており、対応アプリや周辺機器がとても多く存在します。
CPUのアーキテクチャが異なるアプリは通常、そのままでは動作しません。
例えば、Windows 向けに作られたアプリ(.exe 等)をそのまま iPhone で起動することはもちろん出来ません。
M1 Macの場合は Rosetta 2 と呼ばれるツールが、アプリを Intel→ARMアーキテクチャへの変換を行ってくれるので、Intel Mac向けのアプリでも、M1 Mac上で動作できるというわけです。
このツールは非常に優秀で、ほとんどの Intel 向けアプリが動作可能になっています。
しかしながら、アプリによっては動作が安定しなかったり、表示が若干崩れたりするので、完璧という訳ではありません。
ネイティブ対応済みのアプリと比べると、動作が少しもっさりしていたり、途中で「応答なし」になってしまうことが多いように感じます。
Rosetta 2 は、アプリが M1 に対応するまでの言わば、繋ぎの処置とも言えるので、今後ネイティブアプリが増えていくにつれ、こういった問題は消えてなくなるでしょう。
Mac で iPhone/iPad向けアプリを使える?
結論から言えば、アプリによります。
M1 Mac では、同じアーキテクチャである iPhone/iPad 向けのアプリを動作させることが出来るという強みがあります。
しかし、実はすべてのアプリが使えるという訳ではありません。
アプリの提供元が、 M1 Mac での動作を拒否していない場合にのみ使用することができます。
記事執筆時点では、iPhone/iPad 向けのアプリは Mac では使用出来ないことが多く、かなりのアプリが非対応といっても過言ではありません。
しっかりとアップデートされているアプリやゲームほど、表示されない傾向があるので、「iPad/iPhone向けのアプリをMacで使いまくろう!」と考えている人は要注意です。
仮に使えたとしても、iPhone のようにタッチ操作が出来ない、ジャイロセンサが無いといった違いもあり、快適に使えるという状況ではなさそうです。
しかし、M1 Mac が登場したことで、今後は両方のデバイスに、より最適化されたアプリの開発が進んでいくことが予想されます。
今後に期待ですね。
今は完璧ではないが、十分使える。
現状、Intel PC を完全に手放せるかといえば答えはNOです。
しばらくは、M1 Mac の人柱感は拭えないでしょう。
開発者目線で言えば、仮想環境などの開発ツールがほとんど正式にリリースされていないということもあり、業種によってはまだまだ移行できないといった状態でしょうか。
Intel アプリも多く、M1 の真価が十分に発揮されていないというのも少しもどかしいですね。
Apple は今後2年ほどかけて、Intel CPUからApple Siliconへの完全移行を宣言しており、アプリの開発元も急ピッチで Apple Silicon へのネイティブ対応化が進んでいくことでしょう。
そうなれば M1 本来のパワーでアプリを実行でき、真の Apple 帝国が誕生するというわけです。(?)
今後発売されるであろうハイエンド向けの Apple M2 / M1X チップ の登場も噂されており、今後が非常に楽しみですね。