メルカリで売ってる Lightning ケーブルは偽物なのか?純正品と比較してみた結果

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「メルカリ」や「ヤフオク!」で売られている格安の「純正Lightningケーブル」。
かなりの数が出品されているので、見かけられた方も多いのではないでしょうか。

大量にセットになって数百円という”超”低価格で、定価2,000円近くする純正品が買えるならお買い得ですが、果たしてそんな上手い話があるでしょうか。

今回はそんな怪しいLightningケーブルを落札し、さらに比較のため大手家電販売店でも購入して、偽物なのかどうか両者を比較してみることにしました。

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

左が Apple ショップが併設されているヨドバシカメラで購入したもので、右がメルカリで落札したものです。
落札するにあたっては、「純正品」 かつ「新品未開封」、「シリアルナンバー付き」と記載のあるものを選び、過去にLightningケーブルを多数出品している出品者からランダムに落札しました。

※よくある「純正同等品」や「FOXCONN製造品」ではなく、「純正品」と記載のあるものを選びました。

パッケージを比較してみる

上:ヨドバシカメラ購入品 、下:落札品

パッケージを見てみると、シールの文字や色合いが異なっていますが、これはヨドバシカメラ購入品が「A1856(MQUE2AM/A)」モデル(上)で、メルカリ購入品が「A1480(MD818ZM/A)」モデル(下)と、同じ Lightningケーブルではありますが、モデル番号が異なっているためです。

A1480のケーブルは2012年に発売された古いモデルで、既に Apple や大型家電販売店での取り扱いが終了しており、現在(記事執筆時点)では確実に信頼できるショップから購入することが出来ませんでした。

Apple に問い合わせたところ、モデル番号は違うもののケーブル自体の性能や外観に関しては基本的に同一と言って良いとのことなので、今回はこの2つのケーブルと、さらに万全を期すために iPhone・iPad の付属品と、MFi認証を受けたサードパーティ製のケーブルを含む複数本の Lightningケーブルを用意し検証を行うことにしました。

外箱からは判別が出来ない

上:ヨドバシカメラ購入品 、下:落札品

外箱はモデルが違うこともあり、偽造品かどうかの正確な比較は行えませんが、この手の偽造品に良くある「日本語がおかしい」「印刷の質が悪い」といったこともなく、純正品と比較してもクオリティが低いという事はありませんでした。
印刷品質に関しては、むしろ落札品の方が上回っているかのようにも見えます。

ただ、落札した方は箱の一部が黄ばんでおり、長い間保管されていたという事だけが分かります。

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

裏面にはどちらも開封用のビニールが貼られていますが、落札品の方はすこし雑に張り付けられており、フタも少し開き気味なのが気になります。
ただ、ビニールは剥がれていないのと、後から貼りなおした形跡もないので開封はされていない様です。

それ以外の部分に関しては特に気になる点は無く、箱からは純正品にしか見えませんでした。

箱を開けて内容物を見てみよう

上記の画像はヨドバシカメラで購入した方の内容物を開けてみたところです。
ケーブル本体と説明書が2枚入っています。

対する落札品も、同じくケーブルと説明書が付属しています。
※モデルの違いによって説明書のデザインとケーブルに付いている固定用の紙などが異なっています。

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

両者を比べてみると、左のヨドバシカメラ購入品はケーブルを固定している紙が綺麗で、ケーブルには当然傷一つありません。

落札品の方は、新品未開封品のはずなのに中古品のような傷やヨゴレがあり、製造品質が良くないのが見て分かります。

ケーブルの端子が微妙に違った

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

USB端子側の比較です。
開封したばかりなのに、購入品と比べて落札品は何故か小傷が目立ちます。

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

USB端子の裏側です。
大きな違いとして、落札品の方は金属シェルのつなぎ目が右向きになっています。

Apple が公開している「Lightning コネクタアクセサリの偽造品や模倣品を識別する」ページによると、純正品のケーブルは、「シェル接合部までの間隔は均等で、向きは左向き」と記載されています。

(C) Apple Inc.

手元にある別の純正Lightningケーブルを4本調べてみたところ、当然落札した商品のように右向きになっている物は1つも存在せず、この時点で偽物であるという事がほぼ確定しました。

左:ヨドバシカメラ購入品、右:落札品

Lightning端子側もよく見てみると、購入品の方は金属端子部分が綺麗なのに対して、落札品の方は少し汚れており、ケーブル根元の補強部分にはバリが残ってしまっています。

分かりやすいように4種類のLightningケーブルの先端を比較してみました。
かなりよく見てみないと分からないレベルではありますが、白い部分のサイズと、窪み方(純正品はなめらかに窪んでいる)が微妙に異なっています。

シリアルナンバーの印字がおかしい

下:ヨドバシカメラ購入品、上:落札品

落札したケーブルには、当然シリアルナンバーが印字されています。
しかし、純正品と比較してみるとフォントが微妙に異なっており、「a」や「b」などの文字がかすれ気味になっています。

さらに決定的とも言えることですが、落札品は「Designed by」の後に 「Apple」 の文字が印字されていませんでした。
しかも、Apple のページによるとシリアルナンバーは12桁となっていますが、このケーブルには10桁しかありませんでした。

(C) Apple Inc.

以上のことから、メルカリで落札したこの Lightning ケーブルは偽物だということが判明しました。

ケーブルの性能を比較してみた

せっかくなので、純正品との違いを比較してみました。
まずは電圧チェッカーを使い、PCに接続している時の数値の違いを比較してみました。

偽造品のため、発火などのリスクがありますが、安全に配慮して行っています。絶対に真似をしないでください。

下:ヨドバシカメラ購入品、上:落札品

チェッカーで測ると、A(アンペア)数が違うのが確認できました。
落札品の方は0.26Aと、純正品の半分ぐらいしかありません。
100円で売られている片面しか端子が無いケーブルですら0.36A程はあったので、このケーブルの性能はそれ以下という事になります。

充電するスピードが悲惨なことになりそうですね。

分解して中身を見てみた

プラスチックを剥ぎ取ると中身の基盤が剥き出しになりました。
ICチップが2枚、MOSFETとUSBパワースイッチと思われるものが実装されています。
樹脂コーティング等もされておらず、ICチップも半田付けが甘いため、すぐに剥がれてしまいました。

裏面は4本の線が半田付けされていました。
こちらも半田付けが甘く、すぐに取れてしまいました。
もし、このケーブルを使ったとしても長くは持たないでしょう。

ケーブル部分には、丁寧にも(?)シールドが付いていました。

例としてMFi認証ケーブルを分解したところ。金属のシールドで覆われている。

ちゃんとした物であれば、基盤はしっかりとした金属パーツで覆われており、IC類も樹脂でしっかりと固められています。

信頼できるお店から買うのが最善

純正ケーブルは高いがゆえに、オークションサイトなどで安く売られていると、つい「ラッキー」と感じて購入してしまいがちですが、本当に純正品かどうかは、かなりの賭けになるということだけは覚えておいた方が良いかもしれません。

すべての出品物が偽物というわけではありませんが、毎日使う充電ケーブルに信頼できないものを使用していると、発火などの思わぬ事故のリスクを高めてしまいます。

今回購入した偽物のケーブルは650円だったので、同じケーブルを買うならDAISO から発売されている MFi認証が付いた Lightning ケーブルが 500円(税別)で発売されているので、そちらを買った方が確実に良いです。

もちろん、Amazonでもたくさんの商品が売られています。

高耐久のアイロン編み + iTunes との同期も可能なケーブル、保証付きの製品など様々なものが販売されています。

購入するときは、必ず MFi認証付きのケーブルを購入しましょう。
本当に認証されているのか確認したい場合は、Appleのこちらのページ(英語)で確認することが出来ます。

純正品は、安全のために Apple Store か大手家電販売店で購入するのがおススメです。