高速入力可能なゲーミングキーボード「Huntsman TE」をFPSゲーマーがレビューしてみた
皆さんは普段どんなキーボードを使用しているだろうか。
FPSゲームをよくプレイするなら、快適なプレイのためにゲーミングキーボードは欠かせない存在だ。
筆者はゲーム用途でRazer Blackwidow Green Switchを4年程使用していたが、さすがに新しいものに買い替えたくなり、テンキーレスかつ打鍵音が静かで高速入力可能なキーボード探していた。
筆者が調べたところ、同じくRazer社のRazer Huntsman Tournament Edition Linear Optical Switchがこの条件に一番近かったため、今から2週間ほど前に購入。
使用感などが分かってきたのでレビューしていきたいと思う。
まずはこのキーボードに採用されている「軸」、Linear Optical Switchのスペックを振り返っていきたい。
キーボードの使用感は、ざっくり言うと下の3項目で決まる。
- アクチュエーションポイント キーが入力されたと判断する深さ
- キーストローク キーを入力した際の最大の深さ
- 押下圧 キーを入力するのに必要な力
他の軸と比較した表がこちらだ。
アクチュエーションポイント | キーストローク | 押下圧 | |
Linear Optical Switch | 1mm | 3.5mm | 40g |
Clicky Optical Switch | 1.5mm | 3.5mm | 45g |
Green Switch | 1.9 mm | 4.0mm | 50g |
Orange Switch | 1.9 mm | 4.0mm | 45g |
いかがだろうか。
Linear Optical Switchがずば抜けて素早いキーであるという事が分かると思う。
筆者は軸のスペックを比較した時に、これ以外選択肢が無いと思った。
しかし、使用していくうちに「高速入力が可能=最高の使用感」では無いと言う現実も突き付けられた。
次に、Razer Huntsman Tournament Edition Linear Optical Switchの気になった点を上げて行こうと思う。
シンプルでカッコいいデザイン
本体がアルミでひんやり・ずっしりで高級感がある。
無駄な調節バーや出っ張りが無く、ロゴも目立たない位置にある。
使用されているフォントもシンプルな書体でカッコ良く、高級感があり、所持欲が満たされる。
今後、これを超えるデザインが出るのか心配になる。(筆者談)
サラサラしたキーの感触
キーの表面はサラサラしており、キーに触れているのが分かりやすく、指紋も付きにくい。
とにかく感触が良く、思わず触れたくなる魅力がある。
程よいキーの間隔
狭すぎず、広すぎず、丁度良い感覚で入力しやすくなっている。
Razer Blackwidowはキーの間隔が少し広く、使用していると疲れやすく感じた。
何時間入力しても疲れない
軽く触れただけで入力出来てしまうので、指に力を入れる必要がない。
私は1日8時間程キーボードに触れるが、指が疲れることが無くなった。
先ほど述べたキーの間隔が丁度良いのも、影響しているのだろう。
静かな打鍵音
青軸やRazer緑軸に比べると圧倒的に静か。
しかし無音という訳ではなく赤軸よりはうるさい印象だが、打鍵音が通話などに入り込むと言った事も減ったため問題ない。
アクチュエーションポイント1mmの高速入力は賛否が分かれる
押下圧が40gなのもあって、スペースキーに指を置いておくだけで文字入力されてしまう。
2週間ほど使用しているため、最初に比べ誤入力は減ってきたが、それでもスペースーキー等の誤入力が発生してしまう。
更にゲームにおいては、WASDを使用した移動は快適になったが、QEF等の隣接したキーを誤入力してしまう事態が多くなってしまった。
例えば、Apex Legends等においては敵の目の前で、Q(アビリティ)を誤入力、銃を構えられず無防備になってしまいやられてしまう。
スペースキーの誤入力も同様に、ジャンプするべきではない局面でジャンプしてしまい、エイムがブレてしまうと言った事も多発するよう。
長期の使用期間を経て、キーボードのポジションを改善すれば、使いこなせる事も可能かもしれない。
その時は最強のゲーミングキーボードになる事は間違いないだろう。
実はRazer Huntsman TEのLinear Optical Switchは世代遅れ
2020年7月にRazer Huntsman Mini Linear Optical Switchが発表された。
その際にLinear Optical Switchの仕様が変更されたのはご存じだろうか。
アクチュエーションポイント | キーストローク | 押下圧 | |
Linear Optical Switch 1st Gen | 1mm | 3.5mm | 40g |
Linear Optical Switch 2nd Gen | 1.2mm | 3.5mm | 48g |
なんと、アクチュエーションポイントが0.2mm深くなり押下圧が8gも大きくなったのだ。
もはや改良というより、別の軸ではないかと思わせる大胆な変更っぷり。
やはり1st Genの仕様はキー入力が軽すぎたのだろうか?
残念ながら2020年11月11日現在、2nd Gen仕様のLinear Optical SwitchはRazer Huntsman Miniのみの販売となっている。
Razer Huntsman Tournament Editionの2nd Genの発表が待たれるところだ。
まとめ
Razer Huntsman Tournament Editionは間違いなく高品質なゲーミングキーボードだ。
しかし速さを求め過ぎた結果、誤入力を恐れ慎重に入力、素早さとは正反対な意識を持ちながらキーを入力するようになってしまった。
まだ2週間という期間だからフィットしないのだろうか。
これからも使い続けてみて、調査していきたいと思う。
普段から誤入力が少ないという方や、スペースーキーに指を置かないポジションの方、最高のスピードを求めている方は一度試してみてはいかがだろうか。