Windows で例えば 60Hzのモニターと、120Hzなどのリフレッシュレート(Hz)の異なるモニターをデュアルモニターとして使うと、低い方のリフレッシュレートで統一されてしまうことがあります。

この記事では、それぞれのモニターで別々のリフレッシュレートを出すにはどうすれば良いか、解決方法を紹介します。

現在のリフレッシュレートを確認する方法

現在使っているモニターの実際のリフレッシュレートが不明な場合、手っ取り早く確認したい場合には、ブラウザから確認できる「UFO test」を使うのがおすすめです。
確認したいモニターにウィンドウを持っていき、最大化表示してチェックします。

120Hz 対応モニター上で表示しても60fpsしか出ないことがある

これは120Hzのゲーミングモニターでチェックした画像ですが、下にあるグレーの部分の FrameRate のところは「60fps」と表示され、一番下には「SYNC FAILURE(同期失敗)」と書いてあります。つまり60Hzしか出ていません。

その他の確認方法として、Windowsの設定からも確認することができます。
ディスプレイの情報「設定」→「システム」→「ディスプレイ」を開き、対象のモニターを選択し、赤枠部分のリフレッシュレートがモニターのカタログスペック通りになっているか確認してください。

正しく設定されていれば、目的の数値で表示される。
Windows 10の画面の場合(表示のみ1Hz程度の誤差があることもある)

「リフレッシュレートの選択」値が、目的の数値になっていなければ、「リフレッシュレートの選択」から変更してください。この設定に問題がなく、目的のリフレッシュレートが出ない場合には下記の設定をお試しください。

解決方法:「メインディスプレイ」に設定すると治る

この問題はリフレッシュレートの高い方のモニターを「メインディスプレイ」に変更することで解決する可能性が高いです。

Windows11 の場合

「設定」→「システム」→「ディスプレイ」を開きます。

接続しているモニターが「1」「2」のように表示されています。
リフレッシュレートの高い方のモニターを選択し、「これをメインディスプレイにする」にチェックを入れます。

Windows10 の場合

デスクトップを右クリックして「ディスプレイ設定」を開きます。

目的のディスプレイの番号を選択し「これをメインディスプレイにする」にチェックを入れます。

メインモニターは変わりますが、これでリフレッシュレートが低くならずに表示することが出来ます。
試しにウィンドウを動かしてみたり、再度「UFO test」でfpsを確認してみてください。
確認したいモニターにウィンドウを持っていき、最大化表示してチェックします。

ディスプレイの設定を変更した後は、ブラウザを再起動してください。再起動しない場合、正しい数値が表示されません。

「READY」と表示され、モニターのスペック通りのfpsが出ていれば設定完了です!

それでも治らなかった場合は?

1.ディスプレイの設定を見直してみる

カタログスペック通りのリフレッシュレートにならない場合は、ソフトウェアの設定を見直してみましょう。
NVIDIA の設定を例に挙げてみると、「ディスプレイ」→「解像度の変更」の設定画面でリフレッシュレートが目的の値になっていることを確認します。

ここで60Hzしか選べない場合は、「解像度」の欄をスクロールして「PC」と書いてあるカテゴリーの解像度を選択する必要があります。

もしここで60Hzなど、低いHzしか選べない場合は、この下の2番の内容を試してみてください。

2. モニターに接続するケーブルを変えてみる

設定が問題ない場合は、ハードウェアの方に問題がある可能性があります。
使用するケーブル、端子によって表示できる解像度やリフレッシュレートの上限が異なるため、上手くいかない場合は違う端子を利用してみてください。

どの端子を利用していいか分からない場合は、Display Port を使うのがおすすめです。HDMIと似ていますが、切り欠きが1つだけで、サイズが少し大きいのが特徴です。

HDMIも含めバージョンによっては、120Hzまでしか対応していないといった場合もあるため、高いリフレッシュレート(165Hzや240Hz、360Hzなど)のモニターを使う場合は注意が必要です。グラボ(GPU)・ケーブル・モニターのすべてを、表示したいリフレッシュレートに対応したバージョンに統一する必要があります。HDMI/Display Portのバージョンについてはこちらの記事をご確認ください。

出来れば古いケーブルは使用せずに、購入時に付属しているものや、高品質な新しいケーブルを使用してください。

HDMIの場合は、バージョン2.1のケーブルであれば 1080p /240Hz、1440p/240Hz、4K/120Hz(条件付きで240Hz)に対応しています。

Display Portの場合は、バージョン2.1のケーブルを買えば、現状ほぼ全ての表示に対応できます。

USB-C の場合は、送信・受信側が「Altモード」という規格に対応している必要があります。充電専用はもちろん、データ送信対応ケーブルでも、このモードに対応していないケーブルの場合、映像が送信出来ないため、「映像出力対応」と書いてある製品を選びましょう。USB-Cケーブルは、同じ形であってもかなり多くの規格が存在するため、注意が必要です。

3. ノートPC向けの AMD Radeon / Intel 内蔵GPU を使っている場合

ノートPC向けのAMD Radeon / Intel の内蔵GPUを使っている場合、グラフィックの設定を変更できるツールがインストールされています。昔はここからモニターの設定が可能でしたが、現在、リフレッシュレートや解像度の設定はWindows の「設定」画面に統合されており、アプリから設定は出来なくなりました。

intel のアプリの場合、「システム設定を開く」を押すとWindowsのディスプレイ設定が開く

もし、メインディスプレイの設定/ケーブルの見直しを試しても直らない場合には、下の5番の内容をお試しください。

4. 古い インテル グラフィックス コマンドセンターを使っている場合

intel 内蔵グラフィックをお使いの場合には、グラフィックの設定を開いて「リフレッシュ・レート」が目的の値になっているかを確認します。低い値だった場合には、変更しましょう。

例えばここが「165p」であれば、165Hzになっています。

5.Windowsとドライバーを最新版に更新する

問題が解決しない場合、Windowsとアプリを最新版にアップデートすることで解決するかもしれません。Windows Update で Windowsを最新版にアップデートし、ドライバーも最新版にアップデートしましょう。

それでも直らない場合にはこの下の6番をお試しください。

6.ドライバーの再インストール

もし、他の設定を試して直らなかった場合には、ドライバーを完全削除した後、再インストールをお試しください。
ドライバーの削除ツール(DDU): https://www.wagnardsoft.com/
DDUでドライバーを完全に削除した後、公式のドライバーを再インストールします。

NVIDIA : https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/drivers/
AMD : https://www.amd.com/ja/support/download/drivers.html
Intel : https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/support/detect.html